「時代劇」は衰退するだけのコンテンツなのかについたコメント

13  名前::2019/01/22(火) 15:08:22  ID:h6kQm4S0 PCからの投稿
時代劇を「目的」じゃなく「手段」として使えばいいんだ。
たとえば『仁』。あれは江戸時代の物語であるということ
それ自体が主旨ではなく、あくまで誠実な医師が努力で
人を幸せにする物語。その過程を難儀なものにしてより
ドラマを盛り上げるために「設備がろくにない江戸時代」が
設定として使われ、時代劇ではなくあくまで「人間ドラマ」
として大ヒットした。

『信長協奏曲』もそう。陰で裏切りを行っていた部下が切腹
しようとするのを必死で止める信長。自分が殺されかけて
その刺客が身内の侍女だと気付いたとき、罰しようとせず
ひたすら悲しむ信長。現代人としては当たり前の道徳観を、
戦国という舞台に置くことで優しさを際立たせる。そうか、
人間が冷たい時代と言うけど、命が大切にされる現代って
素晴らしいのかも……と再認識させられた。

俺らは現代人。やはり現代の物語に感情移入するのであり、
それをより鮮明に惹起するのが「時代物の舞台設定」という
手段だと思う。つまり「現代」と「昔」を常にリンクさせて
考えさせるドラマがウケるのだ。たとえば宮部みゆきだって
時代物を描きながら「人間の愛憎はいつの時代も一緒」という
スタンスだからこそ面白いのだ。とくに『三島屋変調百物語』
シリーズの『三鬼』という作品など、現代の社会福祉問題……
諸事情から福祉に頼って生きざるを得ない人間の値打ち……
にまで斬り込んでいる。それこそ人権に関する意識の低い
江戸時代が舞台なだけに、とても痛切な迫力を携えて。

時代劇的な演出に関してだが、個人的にもっと「男の裸」に
リアリティを追求してほしい。市井の男はふんどしひとつが
当たり前、職人は短気で豪快だから裸に腹がけとふんどし、
仕事がうまくいかなければ「てやんでえ!」と素っ裸になり、
チンポをぶらぶらさせながら建具の造形仕事をし、カンナで
チンポを削ってしまっても「おう、包茎が治っていいや」と
さっぱり。そんな時代に、大学剣道部で裸踊りを強制された
男臭い若者がタイムスリップしてきて、人前でチンポを出し、
射精することの人間本来的な野生の快楽に目覚めるドラマを、
ぜひ森下佳子さんの脚本でお願いしたいものだ。
5 イイ!コメント
コピペに戻る