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私は、パイロットたちに、
「緊急発進してソ連機のそばにいったことがあるのだろう」
と聞くと、みんな、
「ある」
という。その時、どんな気がするのかと尋ねたら、
「悲壮な感じになる」
という。ソ連機が弾丸を撃ってこなければいいが、撃たれた時はどうするのかと聞くと、
「われわれは弾丸を撃ってはいけないことになっている」
という答えが返ってきた。確かにその通りなのである。そこで、私はなおも話を続けた。
「しかし、現実にソ連機が撃ってこようとしたり、撃ってきたらどうするのか」
この私の質問に対して、第一線の日本の防衛を担っている彼らは、一言こういった。
「もう覚悟はしております。弾丸を撃っていけないのなら、ソ連機に体当りする以外にないと考えます」
p210-211 「仮想敵国ソ連 われらこう迎え撃つ」 栗栖弘臣 講談社