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有名な皿屋敷の幽霊を見ようと、弁当持参で集まった
大勢の見物人。お菊さんが皿を数えるたびにやんやの
大喝采。八枚まで数えると、「あと一枚!」と合いの手が
入ったりする。盛り上がる江戸っ子の軽薄さにお菊さんも
すっかり調子が狂ってしまう。
ある晩、例の如く現れたお菊さん、居並ぶ見物人を
、ゲッソリと幽霊のようにやつれた顔で見回して言った:
「今晩も大勢お運びのようで…では、数えます」
と皿を数え始めたが、いつもと様子が違った。
恐ろしい早口で27枚まで数えるとさっと引っ込もうとする。
慌てた見物人、無理やり引きとどめて「ちょっとまった
お菊ちゃん、今夜はどうしちゃったの?」と聞いた。
いかにもうんざりとした様子で、彼女は答えた。
「明日あさってとお休みをいただきますので…」