通常表示に戻る

空白・改行を保持して表示します。横にスクロールできます。

違憲の式休み 今なら免職か
無職 南部 敏明(埼玉県寄居町 72歳)


 教員を退職して12年になるが、私は演壇に日の丸を出すようになってから入学式・卒業式などすべて年休をとって休んだ。
 毎年3月になると最後の担任をした生徒の卒業式の日のことを思い出す。

 卒業式では担任がそのクラスの全員の名前を読み上げる「呼名」という仕事があった。
 一人でも落としたら大変だし、間違えないように緊張したものである。

 この大切な日に、私は年休を取って休んだ。
 名を呼ぶ仕事は副担任にお願いした。

 卒業式の前日、満開の桃色の梅の花木をできるだけ切り、学校で一番大きなつぼに生け、教室に飾り、黒板いっぱいに「卒業おめでとう」と書いた。
 退職まで3年間は残っていたが、その後、担任を希望せずやらなかった。

 すべて日の丸・君が代のせいだ。

 学童集団疎開体験派の私に、どうしても譲れないのがこれらの押し付けだった。
 今だったら免職になっていたかもしれない。

 私は今でも、この押し付けは憲法が保障する思想・良心の自由に違反することだと思っている。

(2008年3月25日付 東京版)