146 製図ペン(東京都) [sage] 2010/03/06(土) 14:27:52.15 ID:x90pEXef
何年も前だが、大学生の時、広尾の中央図書館で勉強していたときに
英語の辞書か何かだっただろうか、ページの隅に落書きがあって
「え?俺、麻布だよ?」と書いてあった
何かと思って他のページを見ると1ページずつ何か書いてあって
2人が交代で書いているようで、1ページおきに文体が変わり、
辞書内で誰かと誰かが文通しているようであった
初めは女の子と思われる者が丸文字で「勉強が難しい」とか愚痴を書いて
それに高校生と思われる男が何か返して、それに女の子が答えて、文通が始まっていた
他愛もない話が何ページにも渡って繰り広げられて、
やがて女の子が「彼氏がいない」ことを愚痴りだした
それに男が「俺はどう?」と返して、女の子は「私は頭のいい人が好きだから」と返した
それに男が「え?俺、麻布だよ?」と書いて、文通が終わっていた
男が下心を出したので文通が終わったものとその時は解釈したが
それから2週間ばかりして俺がまたその辞書を使っていると
近くで高校生位の女の子がソワソワしながら歩き回っているのに気づいた
何だ、ションベンでもしたいのかと思ったが、ふと気づいて
あー、あの文通は今も現在進行形で続いていたんだなと思って
俺は英語の勉強が終わった振りをして辞書を棚に戻し
彼女はそれをすぐに手に持って、恥ずかしそうに奥の席に駆けて行った
ふーん、この子がね、初々しくて良いなあと、女の子をそれとなく見ると
時折、女の子も、ちらっ、ちらっ、とこちらを見ているのに気づいた
え?なんだ?まさか、と思うと、女の子が辞書を持って
意味ありげにこちらに近づいてきて、俺の近くで少しモジモジしながら
恥ずかしそうにこちらを見て微笑んで、戻しますよ、とアピールするような形で辞書を棚に戻した
いやー違うのに、俺じゃないのに、と思いながら、彼女のアピールに気づかぬふりして
そのまま5階の食堂に逃げ、カレーを注文して食っていると
しばらくしてその彼女がフラフラと食堂にやってきた
まあ、まさか俺を探しに来た訳ではないだろうが、俺はカレーを瞬時に掻き込み、
彼女に気づかれぬようにそそくさと食堂をあとにした