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それは寒い夜の日だった。
自転車で家に帰る途中に変な集団に出会った。

それは、赤いタンクトップに赤い短パンという冬にはあり得ない格好をした40代~60代くらいの、おじさんとおばさんの集団だった…
五十人くらいはいるだろうか…
歩道いっぱいにぞろぞろと歩いていた。


俺はなんか怖くなり、自転車を降りて端によせてその集団に道を譲った。

すると集団の先頭にいたリーダーらしき男がデカイ声で話しかけてきた。
目玉のオヤジみたいな声だった…


「おい!お前、俺たちのことが見えるのか?こいつは珍しいやつだな…おい!みんな、こいつ俺たちの事が見えるんだってよ!」


すると集団がざわざわと騒ぎ出した。
そして口々に俺を批判した…


「変なやつ―」

「変な顔―」

「変な…服―」

「変な…変な顔―」


するとリーダーらしき男が怒鳴った。


「待て!こんな珍しいやつはいないぞ!俺たちはこいつに敬意を表すべきだ!」


そして俺に向かって言った。


「俺たちは敬意を表してお前を許す事にした。お前名前はなんていう?」


俺は戸惑いながら名乗った。


「あの…カズアキです…」


するとリーダーらしき男が集団に言った。


「おい!みんな聞いたか!この街でカズアキは無しだ!」


すると集団がまたざわざわしだした。

「カズアキ無し…」

「若い子好き…」

「子供も好き…」

「カズアキ…変な顔…」


そしてリーダーらしき男が、「行くぞお!」と言うとざわめきはピタリとなくなりまた歩道をぞろぞろと歩いて行こうとした…

俺はどうしてもこの集団の事が理解出来なくて、リーダーらしき男に駆け寄り聞いてみた。


「おじさん…おじさんたちは何者なんですか?」


おじさんは笑いながら甲高い声で言った。




「俺たち?俺たちはインフルエンザさ!」