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230 :本当にあった怖い名無し:2006/10/04(水) 01:38:24 ID:YbwHnALS0

俺が小学校三年のある日、家に帰ると親父がリストラされていた。
二週間くらい昼間から酒びたりだったけど、ある日いきなり家の車庫改装し始めて、
「父ちゃんたこ焼き屋始めるぞ!」
と言い出した。楽しそうな親父の顔を見たのは久しぶりだった。
で、ようやく開店したんだけど、全然お客さんが来ない。
夕飯は毎日、売れ残ったたこ焼きを食べた。それでも俺は楽しかった。
「父ちゃんのたこ焼きは日本一だ!」

ある日、俺は学校の友達を連れて来ることを思いついた。
一度でも食べてもらえば口コミで客が増えるはずと思ったからだ。
その日珍しく大勢友達を連れて来たので親父もお袋もびっくりしてた。
(ほんとはそんなに親しくなかったんだけど)
「今日はみんなタダでいいからな!」
親父が笑ってそう言うと、お袋はいつも出す水の代わりにコーラを持って来てくれた。
みんながたこ焼きを食べ始めた。
「ちょっと手伝ってくるよ!」
少し照れ臭くなって俺はカウンターをくぐって両親のところに行った。
お袋が椅子に座って泣いていた。俺を見るとギュッと抱きしめてくれた。親父も笑って頭を撫でてくれた。
なんだか急に目頭が熱くなってきた。友達連れて来てほんとに良かったと思った。
その時だった、友達たちのテーブルからひそひそ声が聞こえてきたのは。

(うわ~これマジ不味いよ~)
(・・・タダでもこんなの食えねえよな~)
(お前俺の分も食べろよ~)
(え~俺もいらねーよ~)
その声は俺たち家族全員の耳に十分届くものだった。親父とお袋の顔が凍りつくのが分かった。