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最初は受けを狙った意図的な嘘記事だろうと思ったけど、どうやら本気で書いてるみたいです・・・

残虐!ミサイルで爆破される鯨:Eco Front -環境と経済の最新情報-
怪我をして死に至る鯨
捕鯨に関する、またしても衝撃的な情報が飛び込んできた。米マクドネル・ダグラス社が開発した対艦ミサイル、ハープーン(Harpoon)によって、ノルウェー沖を泳いでいたミンククジラが殺害されたというのだ。
これは世界動物保護協会(WSPA)が5月にとらえた映像で、船から2発のハープーン(Harpoon)が発射され、1発目がかすり、2発目で死に至ったという。

(画像はイメージ)

オーストラリア、強く捕鯨に反対
この映像を受け、エミリー・リーヴズ氏(WSPAオーストラリア代者)は、「こんな残酷なやり方はあってはならない」とし、来週開かれるモロッコでの国際捕鯨委員会(IWC)サミットで、なぜ捕鯨に抗議する運動をしなければならないかについて伝えると強い怒りをあらわにしている。
編集部 青空ひなた


トンでもない勘違いしてますね、Eco Front誌の青空ひなた記者は。・・・英語でハープーン(Harpoon)とは銛(もり)の意味で、捕鯨砲や捕鯨銛はホエーリングハープーン(Whaling Harpoon)と呼ばれますが、単にハープーンだけでも捕鯨砲で通じます。この記事は明らかに捕鯨砲の事を指している筈で、対艦ミサイルを使用しただなんてトンでもない話です。Eco Front誌の記事にはネタ元のニュージーランドヘラルド紙の記事「Harpoon attack angers anti-whaling lobby」がリンクされているので見て来ましたが、肝心の写真がありません。恐らく青空ひなた記者は「exploding harpoon」「harpoon is fired 」という語句を見て、写真も無いので想像を膨らませて「これは兵器の事だ、対艦ミサイルにそんな名前の有名な物があった!」と間違った思い込みをしてしまったのでしょう・・・ですが、捕鯨砲の捕鯨銛というものは爆裂弾頭を有していますので、爆発して当然の代物です。

【図解】Harpoon Gun and Exploded Harpoon(捕鯨砲と爆発する銛):heritage.nf.ca

上記リンク先は100年くらい前の古い捕鯨砲と捕鯨銛の図解です。

1860年代にノルウェー人のスヴェン・フォインが捕鯨砲を発明した当初から捕鯨砲用の捕鯨銛は爆裂弾頭を有していました。鯨に致命傷を与え、動きを早く止めて回収し易くする為です。しかし急所に当てないとなかなか死なず、何発も撃ち込む必要があります。そこで何処に当てても確実に一撃で殺す為に高電圧大電流を流す電気銛が考案されましたが、肉質が落ちて不味くなってしまう上に、イギリスとニュージーランドが電気銛は苦痛が大きいとして使用禁止を訴え、使わなくなりました。(しかし私は電気式の方が苦痛が少ないと思います。)結局現在も爆裂銛が使用されています。IWC(国際捕鯨委員会)は爆裂銛の使用を残虐な行為ではないとしています。世界動物保護協会(WSPA;本部はイギリス)とニュージーランドヘラルド紙の主張は筋違いというものです。そもそもIWC総会で「電気銛を使用するな、爆裂銛に戻せ」と言い出したのはイギリスとニュージーランドなのですから。

【話題のハープーン(Harpoon)が鯨に着弾した瞬間の映像】

結局Eco Front誌の青空ひなた記者は、捕鯨銛の構造について何も知らなかった事を露呈しています。それどころか捕鯨問題・英語翻訳・軍事知識の全ての理解に問題がありました。どれか一種類についてでも幾らかの知識があれば、対艦ミサイルだとかこんなミスは有り得ない筈なんですが・・・

ちなみにお分かりかと思いますが、ハープーン対艦ミサイルは捕鯨銛にちなんで名付けられた対艦ミサイルです。どうしてこのような名前が与えられたかというと、この対艦ミサイルは当初の開発目的は浮上航行中の潜水艦を狙う為に作られたもので、潜水艦を鯨に見立てて名付けられたからです。後にこのミサイルは水上艦攻撃用となり、最新型は地上攻撃能力も与えられるようになりました。

当然の事ですがハープーン対艦ミサイルの誘導システムでは、呼吸で浮上した鯨を捕捉して命中するような能力はありません。そもそも一発で数千万円もするこのミサイルを捕鯨に使用したんじゃ大赤字です。

なお捕鯨砲用の捕鯨銛は当初、先端が鋭く尖った尖頭銛でしたが、第二次大戦後に弾頭部が平らな平頭銛が採用されています。尖頭銛では浅い角度だと水面で弾かれてしまうのですが、平頭銛なら水面で弾かれる事がありません。この平頭銛は1951年に東京大学の平田森三氏が考案した「平田銛」として世界に普及しましたが、基本的な原理は戦前に開発された旧日本海軍の「九一式徹甲弾」(水中弾効果を持つ戦艦及び重巡洋艦用の徹甲弾)や、戦時中にナチスドイツ空軍で開発された「Bomben-torpedo」(動力の無い爆弾魚雷)と同じであり、現代では日本海上自衛隊が「03式76mm平頭弾」を保有しています。

捕鯨砲の爆裂銛が残虐だというなら、この03式76mm平頭弾を使用して見てはいかがでしょうか。これは実体弾で弾頭に爆薬は入っていませんが、貫通力は一般的な捕鯨砲より非常に高いです。高度な射撃管制装置で鯨の急所を03式76mm平頭弾の一撃で突き、同時に鯨回収用のアンカーを別に撃ち込めば宜しいでしょう。結果的にOTOメララ76mm速射砲を装備する捕鯨戦艦(捕鯨砲艦?)が出来上がりますが気にしてはいけません。