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日も、いつもと変わらぬ夜を迎えた。
さて、夕飯の支度でもするか。

僕は、ベッドからモゾモゾぬけだし、エプロンをつけた。
このエプロンは、この家で暮らすことに決まって、クレプスリーと生活に必要な家具とかを買いに行ったとき、
料理するときに使うエプロンをクレプスリーが選んでくれたやつだ。
柄は、赤一色だ。
自分が赤が好きだからって、僕のエプロンまで赤にしなくてもいいのに・・・
でも、せっかくクレプスリーが選んでくれたんだから、いいか。おかげで、僕も赤が大好きになりそうだ。

僕はエプロンをつけながら、そのときのことを思い出していたら、
妙にクレプスリーが気になった。
僕のベッドの横に、クレプスリーの棺が壁にたけかけてある。
僕は、棺の蓋に耳をくっつけた。
ひんやりしていて、気持ちいい。

中から、クレプスリーの規則正しい寝息が聞こえる。(ガブナーのクマ並みのいびきとは大違いだ。)
僕はなんだかほっとした。
そのとき、ふと棺の蓋を開けたくなった。
クレプスリーの寝顔は見たことがない。
これまで一度も見たいとはおもったこともなかった。
何年も共に過ごしているのに、一度も寝顔を見ないのは、なんだかもったいない気がする。

「たまには、棺から出て寝てくれよな。」

僕はつぶやいて、重い蓋を開けようとした。
音を立てないように、慎重に・・・・・・

「・・・キ・・・キィ・・・・・・キキキキキ・・・・キィ・・・・・」

開いた。
寝ているクレプスリーとの、初めての対面だ。

クレプスリーは自分のマントを毛布がわりにして、体に巻きつけている。
幸い顔は毛布から出ていた。
すごく気持ちよさそうな顔をしている。
口元がかすかに笑っているようにも見える。
スースーと乱れることのない呼吸。
ずーっと見つめてると、なぜかアニーの寝顔を思い出す。
クレプスリーの肌はアニーより(てか、人間より)青白いけど、寝息の音や少しほほ笑んでいる顔がアニーと重なる。
よく見ると、クレプスリーの唇はふっくらしている。
ここもアニーに似てるな。

ももももしかして、クレプスリーはアニーの分身か?!
いや、それとも、その逆か?!!!

クレプスリーがかすかに動いた。
呼吸が少し乱れる。

『ヤバイっ!!起きるか?!』


・・・続く。