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肥前国 唐津(現:佐賀県 唐津市)に住む とある老夫婦は大層ケチで
爪に火を灯すような生活で500円という大金を貯めた。
そのうちに夫が亡くなったが、夫は死ぬ間際に、
今までに貯めた金を棺に納めるように命じたが、
親類の勧めにより空の財布を棺に納めた。
初七日になり、老婆は親類から ぼた餅を貰うが、食べるのをすっかり忘れていた。
すると、その晩、老婆の前に閻魔大王の使いと名乗る青鬼と赤鬼が出現し、
「汝が夫の遺言に背き、棺に金を入れなかったゆえに、亭主は地獄の攻めを受けている。
されば早急に惜しんだ金を出し、亡き夫に対して詫びを述べよ」と迫った。
老婆は驚き、これを少しも疑うことなく土蔵に金を取りに行ったが、その間、
傍らにあった ぼた餅を鬼達が食べたところ、たちまちに血を吐いて悶死した。
そこで鬼達の死体を改めたところ、彼等の正体は親戚の者であり、
さらに件のぼた餅は、
別の親戚が老婆を毒殺して金を奪うために送った事が分かったのであった。
(東京日々新聞)