通常表示に戻る

空白・改行を保持して表示します。横にスクロールできます。

ミケノビッチは,背中を丸めて目の前のカクテルをただ眺めながらバーのカウンターにじっと座っていた。

すると,暴れ者で有名な大男がやってきて,ミケノビッチの目の前の飲み物を奪い取るや,グッと飲み干してしまったのである。

ミケノビッチは,泣き出してしまった。

さすがに気まずい思いをした大男は,「おい。何を泣いてやがんだ。大の男たるもんが情けねぇ」と言った。

「ついに,会社がつぶれちまったんだ。それを知った女房は,全財産を持ち出した挙げ句,男と家出しちまった」
ミケノビッチは,泣きながら答えた。

「それで,このバーに来て,死のうと考えていたら,あんたがオレの毒を飲んじまったんだよ」