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私の部屋の一画に、笑わぬお面が一つあります。
  薄気味悪いそのお面は、ずっと悲しい顔で一点を見つめております。

   ある日私はテレビをつけました。
  最近のニュースは悪いものばかりです。つい先日、一人の少女が誘拐されたそうです。
  しかし、犯人はまだ捕まってないようです。
  どうせ、もう殺されているだろう。そう思いました。
  私はため息を一つつくと、テレビを消しました。
  なんとなくですが、この笑わぬお面に私の心を見つめられているような気がしたからです。
  
   ある日私は遠くの山まで車を走らせておりました。この笑わぬお面を捨てるためです。
  黒いビニールに入れる際、お面はものすごく悲しい顔をしておりました。
  しかし家に置いといては気分が悪いと、お面に謝りつつ、深い穴へと葬りました。

   ある日私は見知らぬ赤の他人に、お面を埋めた場所まで案内するよう言われました。
  別に隠す必要も、もうないと思ったので素直にその場所まで彼らを連れて行きました。
 
   そこで、私とお面と5日ぶりに対面したわけですが、彼女は一層悲しい表情をしておりした。

   そうそう。例の誘拐犯、捕まったみたいですよ。
   やはりすでに殺されていて、最近、最後までみつからなかった少女の顔面の表皮を、山で確認したそうです。