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534:おさかなくわえた名無しさん:2009/04/12(日) 08:46:16 ID:Cx8H1UJk
ある男の両親はエホバだった。
男の両親は自営業を営んでおり、多少の蓄えはあったがエホバの教えに従い、
財産を捨てて喜捨してしまった。
男が結婚して家庭を持った頃、喜捨したことにより両親の家業がうまくいかず、
男は多大な借金を背負わされた。
男の両親は無職になったのをこれ幸いと再就職もせず、布教活動に精をだした。
両親の生活費も男に圧し掛かった。
あるとき、男の父親が大病して倒れた。
手術をすれば直る病気であったが、その手術には輸血が不可欠だった。
男は手術をしろと父親に迫った。宗教は大事だが、死んでしまっては意味が無いと。
父親本人と、その妻である母親は輸血をすることはできないと反対した。
そこに医者がもうひとつの提案を出した。
「あまり勧められないが、病状を抑える薬がある。
その薬を毎日飲めばなんとか生き永らえる事はできるだろう。
しかし、この薬は病状を抑えるだけで治るわけではない。一生病院暮らしになる。
また、保険が利かないので全額自己負担になってしまう。」
両親は医者の提案に飛びついた。少しでも長く生きていたいと。
男は眩暈がした。
後先考えない両親と、家庭がある自分のこれからの負担に。
男は決断した。何も決めないという決断した。
両親や医者は迫った。早く手術か投薬か決めないと父親は死んでしまうと。
しかし男は「もう少し考えさせてくれ」と言うばかりでずっとはぐらかした。
十日後、男の父親は死んでしまった。
エホバの教会で式は行われた。母親は泣いたが、男は泣かなかった。