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2週間にわたる激しい攻防の末、世間の注目を集めて銀行強盗事件の裁判は終幕を迎えていた。
陪審は14時間の審議を終え、評決を判事に渡すべく法廷に戻ってきた。
判事が陪審長に向って尋ねた
「陪審は評決に達しましたか?」
「はい、閣下」
「こちらにください」
判事が身振りすると、廷吏が評決を書いた紙を陪審長から受け取り、判事に渡した。
判事は黙って評決を読むと、それをまた廷吏を通して陪審長に戻した。
「どうか、評決を読み上げてください」
「陪審は銀行強盗に関する容疑のすべてについて、被告を無罪とします」
陪審長が言った。
被告の家族や友人たちは、「無罪」と聞いて喜んで飛び上がり抱き合い、神の加護を感謝した。
被告の弁護士は依頼人に向って、尋ねた。
「ご感想は?」
被告はひどくうろたえたようすで法廷の中を見まわし、それから自分の弁護士に向き直って、こう尋ねた。
「さっぱり分からないよ。
これって、金は全部返さなくちゃいけないってことなのか?」