通常表示に戻る
空白・改行を保持して表示します。横にスクロールできます。
214:本当にあった怖い名無し:2011/04/07(木) 12:43:08.18 ID:bVgGVppy0
結婚式を明日に控えて親父が久し振りに一緒に風呂に入らないかと言ってきた。
親父とは結構仲が良くて中学卒業するくらいまでは背中を流し合ってたんだ。
別に断る理由もないし、何年かぶりの裸のつきあいをした。
「すっかり大人になっちまったなぁ」なんてしみじみ言うもんだから、
こっちまでちょっぴりセンチな気分になっちまう。
良く見るとすっかり老けてしまった親父を見て
「親父こそ昔はもっと逞しかったのにね」って言ったら
「まだまだ若いさ」なんて強がってやがる。
「なぁ親父、母さん明日の結婚式来れるかな」
母親は高校入学した頃に気が触れてしまい、それからずっと施設に預けられている。
主治医から母を刺激するのは良くないということで、
面会は親父が必要最低限だけ行く事にしていた。
「ちょっと無理かもしれないな」
「そっか…」
期待はしていなかったが、母が来れないのは寂しかった。
翌朝、式場に母から贈り物が届いた。
母が結婚式の時に祖母から譲り受けた簪だった。
親父は肩をポンと叩いて「母さんも祝ってくれてるんだな」と言った。
何故だか涙が溢れてきた。