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毒キノコに詳しい人間の多くは最も恐ろしいキノコにこのドクササコをあげる。
人を破壊しつくすカエンタケやドクツルタケのような致死性の毒キノコよりこのドクササコのほうが恐ろしいと答える。
それはこのドクササコの中毒はあらゆる毒キノコの中でも最も恐ろしいからである。
子匙一杯で、3gで死ねることがどれほど幸せかという事を思い知らされる。

その中毒は食後4、5日後に発症。
下痢、嘔吐というやはりキノコ中毒の基本的な症状から始まり
手、足、鼻、耳さらに外性器と全身の末端が真っ赤にまるで火傷でもしたかのように腫れ上がり、
焼けた鉄を押しつけられたような、焼けた火箸をぶっ刺されたような痛みが全身を襲い
その痛みが24時間休みなく、一ヶ月もの長きにわたり続く…

要するに喰ったヤツはマジシャンズ・レッドとゴールド・エクスペリエンス・レクイエムを組み合わせたような状態に陥るのである。
その極悪さからヤケドキン、ジゴクモタシともいわれる。
特に症状が酷い時には人が側を歩いた時の風が患部に当たっただけで全身を抉られるような激痛に襲われるといわれる。
更にこのキノコ中毒には治療法がない

複数の神経毒を持ち合わせている為主原因の毒がどれかわかっていない。
その為、その痛みをやわらげるしか対処法はないのだが、痛み止めすらも効かない。
最も強力な鎮痛剤であるアスピリンやモルヒネですら効果はなく、麻酔薬を直接骨髄に打ち込む神経ブロックでようやく軽減できる。
水膨れと同じように患部を水に浸せば痛みは和らぐが水から離せば痛みがより悪化する
 
因みに先に致死性はないと書いたドクササコだがその死亡率はかなり高かったりする。勿論ドクササコの中毒で死ぬのではない。
まずは先に述べた水に浸すという行為で患部がふやけ、感染症等の合併症での死亡。長きにわたる激痛に精神をすり減らした衰弱死
そしてなによりも一ヶ月にも及ぶ痛みから解放されようと自らの命を絶つ自殺がその高い死亡率を占めている。
 
そんな悪魔のようなキノコだが毒があるとわかったのは大正時代とごくごく最近でありかつては可食菌であった
原因は食後4、5日後発症という長いラグ、そして全身が腫れ上がるという
キノコ中毒とはあまりにも思えない毒性から結びつかなかった事に由来する。
スギヒラタケと似たような経緯だが(あっちは美味い)
その為かつては秋口に発生する謎の風土病やリウマチの類だと思われていた。
現代でも全身が腫れ上がるという症状から整形外科へと駆け込んでしまう事が非常に多い。

もしあなたがキノコを食べたあと全身が腫れ上がるような事があればちゃんと神経外科にいきましょう
勿論それから一ヶ月生き延びれるかはあなた次第ですが