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きっかけはゲイに粘着されたことだった。
俺は身長170cm未満のチビで、骨格や筋肉が生まれつきガッシリした体格のため、女ウケはあまり良くない。
しかし体型が窪塚洋介みたいなすらっとした長身のゲイに妙に粘着された。大学1年の頃だった。
最初は好意とは思わなかった。身長をからかわれて小突かれたり、脈絡無く童貞童貞とはやしたてられたりして、
俺が不快そうな顔をしているとニヤニヤして見ていた。知り合ってすぐに俺はそいつを心底嫌いになった。
そしていつも乱暴な感じではあるが、無駄にボディタッチしてくることが多く、なんとなく気味悪さも感じていた。
学内で俺が友達と別行動になって一人になると、そのときを狙っていたかのように窪塚があらわれた。
一人になった途端に窪塚と遭遇する確率が異常で、こいつ常に俺を見張っているんじゃないか?と不気味に思った。
でもこの段階ではまさかゲイとは思わなかったね。思いたくもなかった。何か逆恨みでもされているんじゃないかとずっと考えてた。
ゲイを疑い始めたのは、ボディタッチが拳でなく手のひらになって、乱暴ではなくジットリと触るようになりだしてからだ。
友達の友達として知り合ったので初対面の時に連絡先も交換してしまっており、
窪塚は深夜に何が言いたいかわからないメールをおくりつけてくるようになった。
AV女優やオナニーについてなどの下ネタの内容もあり、そういったやり取りは別の男友達とも普通にしていたが、
そいつらとは目線が違うというか、興味の持ち方や質問の仕方に違和感があって気味が悪かった。
その鳥肌の立つような文面から、なんかこいつ女に付きまとうキモ男みてーだなと思い、もしかしたらゲイかと思い至った。
それから、肩や腰を触られたら「触んな」と振り払い、話しかけられても無視するようにした。
結構しつこかったが、他にターゲットがうつったのか、あるときから急に粘着されなくなった。
その体験をしたあと、女の子と関わっているときの脈なしサインが感覚的に簡単にわかるようになった。
あ、これ無理だな、という空気が肌感覚でわかる。早い段階でわかるのでスッと引いてまた次をあたれる。
この感覚を得てからあっさり彼女が出来た。恋人を作るコツって押し方より引くセンスなんじゃないだろうか。
思うにモテる男ほど早い段階で変な女から粘着されたりして、ウゼー、振り払いたい、と思う経験をしている。
その経験があるからこそ、自分が脈ナシの場合もすぐに察知できて引くことができる。
早い段階で察知できるから拒否されたと気付いた瞬間の傷も浅いし、友人関係もこじれない。
粘着されてウゼーと思う経験が無かった頃の俺は、脈の無い相手にもひたすらに押していて失敗していたように思う。
相手が見えていなかったし、何も察知できなかった。
でも「コイツなんで俺がこんなにウザイと思ってんのにしつこく寄って来るんだよ死ね」と思う経験をした途端に、
そう思われていることが察知できるようになったんだ。