通常表示に戻る

空白・改行を保持して表示します。横にスクロールできます。

「どのような人と友達になるべきか?」と聞かれても、「あなたが友達に求めるものによる」としか答えられないが、
「どのような人と友達になるのを避けるべきか?」と聞かれたら、私は「寂しがり屋」と即答するだろう。

恋人や配偶者としても、彼らはすぐに浮気するので適さない。
ビジネスパートナーとしても、彼らはすぐに保身に走って当初の目的を見失うので適さない。
「世の中カネだよ」なんて言ってるスレた奴の方が、結果としてよっぽど信頼できるのだ。
 
このような持論は、"ウェーイ系"と揶揄されるようなコミュニティに属していた大学時代の経験から導き出したものだ。
高校までのガリ勉生活から解放され、調子に乗った末のキョロ充化という典型的な話だが、
その結果、多くの「寂しがり屋」と接する羽目になった。
忙しかったため体力はついたし、コミュニケーション力も磨かれたし、一応知人の数も激増したが、
精神的には悲惨で、学業については無益な日々であった。
ウェーイ系時代の友人も残っていないことは無いが、
今でも個人的な付き合いがあるのは大半がガリ勉時代からの友人だ。
 
「自称寂しがり屋」たちは、他人の精神的リソースを吸い取っている自覚が無い。
自分では自分のことを優しい善人だと思っているし、その自己認識を否定する人は悪だと思っている。
その論拠として「オキシトシン」というホルモンの働きを挙げたい。
 
「スキンシップをすると、した人もされた人も脳内から「オキシトシン」というホルモンが分泌されるそう。
 このオキシトシンが分泌されることで愛情が育まれ、信頼する気持ちがお互いに強まるという。」
 
「オキシトシンが出ると幸福感を得られるだけでなく、ストレスからくるイライラも軽減される。
 さらに、お酒を飲んだ時のほっこり安らぐ感じに似たリラックス感も得られるとのこと。
 とにかく、オキシトシンはさみしがり屋に効く特効薬なのだ。」
 
「東京大学 医学部 附属病院において40名の自閉症スペクトラム障害の成年男性を対象として二重盲検注4)など最も客観性の高い厳密な方法で医師主導臨床試験を行った結果、オキシトシン投与が自閉症スペクトラム障害群において元来低下していた脳活動を有意に上昇させ、それと共に対人コミュニケーションの障害が有意に改善されることを世界で初めて明らかにしました。つまり、オキシトシン点鼻スプレーを1回投与したことで、健常群で観察される、表情や声色を活用して相手の友好性を判断する行動が増え(図1)、内側前頭前野の活動が回復し(図2)、それら行動上の改善度と脳活動上の改善度が関与しあっていました(図3)。これは、オキシトシンによって脳の活動に変化を与えて、同障害を治療できる可能性を支持する結果です。」
 
「今回の研究で、オキシトシンの影響下では、同じグループに属する仲間への優遇が増えることを確認できた。
 これは、裏を返せば、自分のグループに属さない人を排除することでもある。」
 
「嘘偽りとは対極的な感じのする愛情ホルモンだが、イスラエルのBen Gurion大学のShaul Shalvi氏及び、
 蘭アムステルダム大学のCarsten de Dreu氏が共同で行った調査によると、
 オキシトシンを投与された人の方が躊躇なく、スラスラと嘘をついていたという。
 偽薬を投与した被験者と比較した結果なのだが、チームのためや、他の人の幸せのためなら、
 人は平気で事実をねじ曲げ、倫理に反する手段に出るのに加え、オキシトシンがこの傾向を助長することがわかった。」
 
「寂しい」と言ってつるみ、罪悪感も無く嘘をスラスラとついて、
グループのための行為なら平気で倫理違反の真似もし、根本的な問題解決からは逃げ、
「愛されてる感じ」「信頼されてる感じ」「ほっこり安らぐ感じ」を追い求める…。
  
現代はオキシトシンが足りないと思われる自閉傾向の人間が叩かれている。
反面、仲間内でナデナデし合ってるだけの人間が「絆」「心のあたたかさ」やらの言葉で美化されている。
ナデナデし合ってるだけなら良いのだが、他のグループへの敵意・嫉妬や、
そのための非倫理的行動までがセットになっているのがタチが悪い。

私はオキシトシン過剰な人間が戦争を招いていると思っている。"仲間とほっこり"するために外人を殺すのだ。
当人らは自分のことを「仲間を大事にするイイ奴」と思っているのだろうし、
一面的な見方をすればそれも間違いではないのだろうが。