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19 名前:人間七七四年[sage] 投稿日:2009/11/06(金) 22:15:41 ID:2tvhUJxm
あるイギリス貴族の述懐
17世紀、東アジアにおけるポルトガルの栄光は急速に衰え、代わって我が英国の興隆は
目覚ましいものでした。
西欧で金と同量同等に商われたナツメグ、グローブを巡って、わが英国から
数多くの冒険的航海者が船出したものです。
行く先は、香料諸島、今でいうモルッカ諸島、その中でもバンダ諸島という南アジアの孤島群は、
文字通りの宝島でした。
私は、一応爵位をもつ身です。が、東インド会社と仲違いをし、配下の数隻の小型船を率いて、
海賊稼業に精を出す身でもありました。
不意を突いてお宝を満載した船舶を襲撃、お宝を脅し取ったのです。
獲物となる船の国籍は問いません。
ポルトガルはもちろん、母国英国の船まで襲撃したのです。ぼろい稼業です。
そんな折、ルン島の近海で風変わりな同業者と出会いました。日本人の操るジャンク船です。
彼ら日本人海賊は80人ほどでした。互いに挨拶を交わし、日頃の常勝気分で驕っていた私は、
大胆にも彼らのジャンク船に乗りつけたのです。船の上に上がると、
彼らは無表情ですが実に礼儀正しく、
私をあちこち船内を案内してくれました。
至るところ、お宝の山です。
帰りに、私の船へと招待すると、彼らは非礼に当たらぬようにと、数十人が
私の海賊船に乗り込んできました。
興味深そうに見学していた彼らでしたが、無表情なまま静かに日本刀を抜くや否や、
私たちに襲いかかってきたのです。
あっという間に数十人の仲間が切り殺されました。無我夢中で私たちはマスカット銃で応戦、
長槍での攻撃が功を奏し、
彼らを船底に追い詰めることに成功したのです。
ところが、彼らが立て篭もった狭い船底、そこに降りていくことは自殺行為です。
途方に暮れた私は、思い切って大砲を船底に向けてぶっ放したのでした。
轟音と共に物凄い悲鳴でした。
功を奏し日本人らは皆死んでしまいました。
私の方も、船底が痛みこれ以上の稼業は続けられなくなりました。
日本人、彼らには油断は大敵だと悟った次第です。