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560 名前:名無しさん@おーぷん[sage] 投稿日:2014/11/03(月)05:03:36 ID:WnkIcqMeg
兄は大学を出たあとプラプラしてニートだった。
家でネットゲームをやったりカードゲームをやったり、
音楽を聞いたり小説を読んだり書いたり、
難しい数式を解こうと四苦八苦したり、
近所の公園につくしを取りにいったり、
なんだか妖精みたいな人だった。
うちは裕福な方だったから、兄と私ぐらいなら、
何とか養っていける。そう兄も思って遊んでいたんだと思う。
でも、兄が30歳になった日、私の目の前で両親がキレた。
「穀潰しとは縁を切る」
兄の悲しい顔は今でも忘れない。
翌日、兄は家を出た。
私の枕元に30万円が入った封筒を置いて、
恐らく、両親の枕元にはもっと大きなお金を置いて。
そして、兄が拾ったネコを持って。
父も母も後悔していたと思う。
だって2人とも兄のことが好きだったから。
兄はご丁寧に分籍までして、戸籍から自分を抜いていた(そして分籍後の住所は
変わっていた)。
それから、兄の話はタブーだった。
と言うより家族で会話することが、あまり無くなった。
それから少し経って、就活の時に、
何気なく読んでいた業界紙に兄が載っていた。
兄はリーシング会社の社長になっていた。
会社に電話して兄に取り次いで貰って、連絡を取る。
「ネコドロボウ」
「wwwwwww」
笑った声は、妖精のままだった。
「お父さんもお母さんも寂しがってるよ」
「うん・・・でも、吐いた唾は飲み込めないんだよ」
ニートのくせに意地っ張りめ。
兄を社会に出した両親が悪いのか、
いつまでも遊んでいた兄が悪いのか、
私には分からない。
でもまた4人と1匹で他愛もないお話が出来るようになりたい。
だから、ネコドロボウの両親が吐いた唾は、私が飲み込むしかない。