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「何か飲み物をもらえませんか?」それが少女が発した最後のSOSだった。
その数時間後、少女は虐待され翌朝、帰らぬ人となった。
今月、今からちょうど1年ほど前に起きたイギリス・ノッティンガムでの小児虐待の悲劇的な事件の裁判が終結し、
二人の容疑者が逮捕された。
なんとその容疑者達は少女の叔母と祖母だったのであるー。
イギリス、ノッティンガムでまた悲しい事件が起こっていた。
5歳のシャネイ・ウォーカーは元気いっぱいの陽気な女の子だった。
しかし、母リアーンがうつ病を患い、子育てをしていくことが困難になったのだ。
シャネイには他に姉妹が2人いたが、シャネイだけが、
叔母と祖母が引き取り人となって母や姉妹から離れて暮らすことになったのだ。
シャネイは叔母のケイ・アン・モリス(22歳)に引き取られた。
シャネイの母からすると、この叔母は義理の妹にあたる。
更に祖母のジュリア・スマイクル(52歳)にも引き取り人として、シャネイの面倒を見てもらうように頼んだ。
家族に娘を引き取ってもらうなら安心だ、と思ったリアーンの気持ちは疑いようがない。
しかし、それがシャネイにとっては地獄の始まりだった。
シャネイは2012年7月~2014年7月まで、まさに死ぬ瞬間までこの叔母と祖母に日々虐待されていたのだ。
叔母のケイはシャネイの口に無理やり食べ物を押し込んだり、
ヘアブラシで手を強打、更に衣服まで口に押し込み、
シャネイの髪を引っ張りながら引きずりまわし、水を飲んだだけのシャネイを壁に叩きつけた。
更には、お腹が空いたシャネイは台所で食べ物を探した。
それを見て「食べ物を盗んだ」と怒ったケイはその罰として、シャネイが食べたくないものを無理に口に押し込んだ。
そして長時間走らせたり、階段を上り下りさせるなど、まさに度を超えた体罰を繰り返した。
シャネイの体の傷跡に気付いた教師はシャネイに訪ねると、理由を話した。
そこで学校側は児童相談所に報告、叔母を学校に呼び出し真実を問いただした。
しかし、叔母は「シャネイは自傷癖がある子」と嘘をつき、
シャネイの大腿部にあった火傷の傷も「自分でヒーターに当たって火傷したんです。」と言ったという。
度重なる虐待は続いた。
祖母のジュリアは近所に住んでおり、彼女もまたシャネイを虐待していたのだ。
しかもこの祖母は自分の8人の子供にも虐待を加えていた。
家では叔母に虐待され、祖母の家に行けばまた祖母から虐待を受ける。
シャネイには心が休まる場所はなかった。
2014年の7月30日。
いつものように叔母から虐待を受けていたシャネイは、たまりかねてパジャマ姿に裸足という格好で外に走り出る。
そしてその姿を近所の少女2人が目撃している。
ただ事ではない様子のシャネイに、「どうしたの?大丈夫!?」と問いかけると、
シャネイは「叔母と祖母に酷いことをされてるの」と話したという。
「すみません、喉が渇いて。何か飲み物をもらえませんか?」
必死の思いで辿り着いた近所のコンビニ。
パジャマ姿に裸足のシャネイを見て店主は驚いたという。
家で水も飲ませてもらえないシャネイはたまらずに近所のコンビニに駆け付けたのだ。
しかし、彼女の必死のSOSは救われることなく、翌朝ベッドの上で帰らぬ人となったシャネイが発見される。
わずか7年の命だった。
救急隊員がシャネイの遺体を目にした時、その酷い傷跡に恐怖を覚えたという。
シャネイはなんと全身、50か所以上もの傷跡があったのだ。
シャネイへの虐待に対する容疑で逮捕された叔母と祖母。
警察の慎重な捜査が続けられ、裁判にかけられた。
シャネイの直接の死因は脳の損傷であった。
壁に頭を打ち付けたことによりできた損傷と思われた。
が、この原因は、果たして叔母によるものなのか、
という決定的な証拠は見つかっていないため叔母は殺人罪ではなく、シャネイへの虐待と傷害致死容疑で逮捕された。
裁判で、叔母には実刑8年、祖母には4年の刑が下された。
この判決を下した裁判官は
「この2年間、毎日執拗に虐待を繰り返され、それでも懸命に耐えて、
生きようとした幼い勇気ある態度に我慢ならず、更に酷い虐待を繰り返していた身勝手で、残酷極まりない最悪なケースです。」
と語った。
シャネイの母リアーンは我が子の訃報を聞き、
「私がもっとしっかりしていたらシャネイは死なずに済んだのに。」と泣き崩れたという。
「信頼していた家族だからこそ、娘を預けても大丈夫だと思ったんです。ちゃんと愛して面倒見てくれるだろう、って。」
虐待され続けて2年。
この2年はシャネイにとって何十年にも感じたに違いない。
帰らぬ人となった今、もう虐待に苦しめられることはなくなったものの、
小さな少女の将来も、希望も、成長も全て奪われてしまったのだ。
母や姉妹はもう二度とシャネイに会うことは叶わないのだ。
一人の人間を虐待死に追い込んでおきながら、なんの反省の色もない叔母と祖母。
果たして彼女らに下された判決は十分といえるだろうか。
8年と4年という実刑は短いような気がしてならない。
今回の悲劇に対し、シャネイを本当に救うことはできなかったのだろうか、
どこで彼女のSOSを見落としてしまったのか、シャネイの死は地元の児童相談所の大きな課題となっている。
そして警察による調査も続いている。
12か月以内には更に真実が明らかになるだろうということだ。
子供への虐待は世界中で後を絶たない。
私たちが生きているのは、弱者が常に犠牲になる悲しくてやりきれない世の中だ。
親が、家族が、周りが子供を守らなくてどうする。
必死の子供たちのSOSを大人は気付かずに、子供は命を落として行く。
死んでからでは遅すぎるのだ。
尊い命を大人たちの身勝手な行動により絶つことだけは決して許されない。
いつになれば、子供が安心して大人の周りで暮らせる日が来るのだろうか。
そんな世の中になる日があるのだろうか。
あなたの周りに少しでも子供のSOS反応を感じたら、迷わず誰かに相談してほしい。
子供を救えるのは私たち大人なのだ。