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229: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/12/02(金) 03:17:14.87 ID:cmMZLHdr0
特攻基地のあった知覧での、ある話
鳥濱トメは知覧で「富屋食堂」を営み、戦時中に陸軍の指定食堂なったため
特攻作戦が始まってからは多くの特攻隊員が訪れることとなった。
隊員達を我が子のようにかわいがり、家財を投げ打ってでももてなした。
特攻隊員はこのトメを実の母のように慕っており、いつしかお母さんと呼ぶようになった。
出撃前のある特攻隊員はこう言った。
「小母ちゃん、おれ、心残りのことはなんにもないけれど、死んだらまた小母ちゃんのところに帰ってきたい。
そうだ、この蛍だ。おれ、この蛍になって帰ってくるよ。9時だ。じゃあ明日の晩の今頃に帰ってくることにするよ。
店の正面の引き戸を少し開けておいてくれよ。俺が帰ってきたら、みんなで「同期の桜」を歌ってくれよ。
それじゃ、小母ちゃん。お元気で。」
翌日、ラジオが9時を告げて、ニュースが始まった。
その時、わずかに開いた表戸の隙間から、
一匹の大きな源氏蛍が光る尾を引きながら、すーと店に入ってきた。
皆がその蛍を見上げ、誰かが「歌おう」と言った。トメや隊員達は泣きじゃくりながら、
「同期の桜」を歌ったという。