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199 名前:人間七七四年[] 投稿日:2008/11/07(金) 23:00:55 ID:MdlAUSIF
織田信長の武将として有名な稲葉一鉄の所で、下人の一人が罪を得、斬首にする、とした時の事。
その下人が「命が惜しい!ここで殺されるのは嫌だ!」と、泣き叫び暴れまわり、なかなか
斬首が出来ないとの事
これを聞いた一鉄が、どんな未練な男かと見に来ると、彼は下人に似合わぬ面魂をしていた。
それを奇怪に思った一鉄は
「何故そんなに卑怯未練に泣き喚く。そんなに命が惜しいのか?」と聞くと、下人は
「私は元々、あなたに謀略を持って殺された者の家臣だ。
主君の恨みを報じるため、あなたに一太刀でも加えようと、この様に身を落としてまで
生きながらえてきたが、つまらぬことで首を落とされることとなり、目的が果たせなくなった。
それが悔しくて、泣いたのだ。」
その言葉を聴いた一鉄は、家臣に彼の縄を解かせた。
「お前の忠魂に免じ、解き放つ。 わしを討てるものなら、討ってみよ。」
笑って言った。
「有難し」そう吐き捨てて、下人は立ち去った。
数年し、一鉄は病にかかり、やがて死んだ。
その少し後、あの下人が、一鉄の墓に詣でた
「私は、あなたに一太刀参らせんと狙い続けていましたが、ついに果たせず、
あなたは身罷ってしまいました。
これでは斬首の折に泣いた事、あれは命惜しさとのためだと思われてしまいます。
よって今、あなたの前で、相果てる」
そう言って、腹を掻っ切って、死んだ。