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669 名前:名無しさん@お腹いっぱい。2008/12/31(水) 09:09:31

1953年5月16日、一人の新人騎手がデビューするはずだった
彼の名はキャスパー・ハーウッド
しかし、彼はスタートを切ることが出来なかった

第2レースの下級条件戦、彼の騎乗する馬はゲート入り前に大暴れした
彼は馬に振り落とされ、地面に叩きつけられた
意識不明の重体…
何とか一命は取りとめたものの、骨盤は複雑に折れ、
騎手はおろか、歩くことすら危ぶまれる大事故であった

1年4ヵ月後、過酷なリハビリ生活の末、彼は何とか歩けるようになった
しかし、騎手の夢は完全に絶たれ、新たな夢を模索することになった
彼は始め会計士を目指した
しかし、これは長続きしなかった
友人に誘われたことがきっかけで、演技の道に傾倒していったのである

その後、彼は俳優として活躍し、
37歳の時にはアカデミー賞に相当するイギリスの賞を受賞した
その授賞式の席で彼は俳優として1つの夢が叶ったと話した
しかし、一方で騎手への夢は彼の心の中から離れなかったようである
彼はそれに続けて、騎手へ憧れていた時代の話をし始めた
これを聞いた、エプソムのジョッキークラブは彼に大きなプレゼントをした

74年6月19日、エプソム競馬場、ブルートパーズという馬の背に彼の姿はあった
ジョッキークラブは彼に、レースの合間に騎乗機会を与えたのであった
彼を振り落とした因縁の馬のひ孫の背に跨り、彼はゆっくりとコースを周る
彼がゴールした時、実況はこうアナウンスした
「キャスパー・ハーウッド騎手、トップでゴールしました」
「優勝タイムは、21年1ヶ月と3日でございます」
彼をたたえる拍手はしばらく鳴り止まなかった