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妻と初めてした会話 7言目
namidame.2ch.net/test/read.cgi/tomorrow/1275993803/l50

163 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2010/07/04(日) 20:58:54
おっさんもさんかするぞ、

嫁「(俺の名字)さん?ですよね?」
俺「(嫁のフルネーム)さんですか?」
嫁「はい、乗って良いですか?」
俺「ええ、もちろん」

助手席に座った嫁、タオル地のハンカチで汗をぬぐった。


嫁「凄く小さい赤い車っていうからもっと小さいかと思っていました」
俺「ええ?この車(KPスターレット)は小さいですよ」
嫁「だって、ナンバープレートの色が黄色くないじゃないですか」
俺「え?」
嫁「友達に聞いたんですよ、私、車の種類なんか全く知らないから」
俺「ナンバープレートが白くてもこれは小さいと思いますよ」
嫁「え、でも、お父さん、お母さん、子供2人の四人家族なら充分じゃないですか」
俺「…そうですか?」
嫁「…私が身長低いから、そう思うだけかもしれません、、」

20代の気の利いた社会人男性はみんなデートカーを持っていた80年代の事。
取引先の社長に孫娘をドライブに誘うように頼まれた俺は、
電話で指定された駅のロータリーを駐車違反で捕まらないようグルグル回っていた。

車種(車の形)と車体色を伝えていた。
世間一般には小さいと言われ馬鹿にされていた車であった。


170 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2010/07/04(日) 22:11:06
嫁は悪い意味でシャイだったので、一緒にいて面白くなかった。
会話も弾まなかったが、社長からはいつもGOサインが出ていたので断れず、
ズルズルと月一程度でデートに誘っていた。

会うたびにお菓子とか、お弁当とかを作ってきたのは
嫁のアピールだと気付かなかったので、嫁の方でも断れなくなっていると考え、
どう別れを切り出すべきか考えていた。

最初の出会いから半年ほど経った2月に、そのKPの助手席に座った嫁は
今まで音楽など気にしてなかったのに、カセットテープを取り出して

嫁「これ、聞いていいですか?」
俺「…ええ、どうぞ」

それには松田聖子の曲が入ってた、正直いうと音楽でも趣味が合わないと思った。
でもある曲になったら突然嫁が歌い出した、カラオケは恥ずかしいから嫌いといってたのに。

嫁「♪なぜ知り合ってから半年過ぎても貴方って手もにぎらない♪」

その当時微妙に古臭くなっていた、『赤いスイートピー』だった。
俺はその時まで嫁の手を握った事などなかった(仕事に影響するといけないので)。

ああ、と思った。
嫁は詰まらない女なのではなく、俺の感性が鈍かったんだと悟った。

横目で嫁を見ると真っ赤な顔をしながら俺の方を見ていた。

嫁「♪なぜ貴方が時計をチラッと見るたび泣きそうな気分になるの♪」

嫁の後ろには相模湾に沈む夕陽。

その日にの内に給料の3ヶ月分の現金が用意できなかったので、
嫁に赤いスイートピーを買おうと思って花屋に行った。
赤いスイートピーなんてないと嫁と店員に笑われた。

代わりに買った黄色いフリージアと白いカスミソウは嫁がドライフラワーにして、
今も嫁の箪笥の奥に仕舞ってある、、、と思う。

FIN