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 知り合いの学生たちと飲む機会があり、某有名企業の就活にまつわる「伝説」が話題にのぼった。

 業界大手のその会社。内定辞退を申し出たある学生に、給料を優遇する代わりにライバル社を辞退するよう働きかけたという。
学生は悩んだあげくライバル社を辞退。「伝説」の会社に入ることを決心した。
ところが、それを伝えると内定承諾書は目の前で破り捨てられ、内定は取り消されたという。
信じられない話だが、内容はかなり具体的で学生たちは「それぐらいやる会社」だと信じている。

私はこの春まで4年間、人事部門で採用に関わった。内定辞退は最もつらい出来事の一つではあるが、
学生には決まってこう言う。「記者の仕事は世の中のためになる記事を書くこと。会社は違うけど目的は一緒。頑張れ!」。
ええかっこしいかもしれないが、それが企業の矜持(きょうじ)というものだろう。

 企業と学生の対等な関係が前提の就活。「伝説」の真偽は分からないが、
こんな話がまことしやかに語られること自体、買い手市場とされる就活のゆがんだ一面を浮かび上がらせる。