89: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 投稿日:2010/10/01(金) 20:54:51 ID:PlJ4YC6p0
幼馴染みの話。
彼が昔住んでいた団地は、山を切り開いて造られていた。
その山から切り出したのだろうか、団地の外れに、大きな石が置いてあった。
綺麗にされてはいたが、石碑のように字が彫られている訳でもなく、
ただ単純に置かれているだけだったという。
子供たちはその石を『石神様』と呼んでいた。
この石神様、夜になると時折、低い声で笑っていたらしい。
彼もそれを聞いたことがあるという。
塾帰りに自転車を押して横を過ぎると、間違いなく石の方から「フフフ」と
含み笑いするような声がしたのだと。
「おー本当だったんだ」と子供心に感心し、一つ手を合わせて拝んでから、
その場を後にしたそうだ。
「怖くなかったの?」という私の問いに、
「何が?」と彼は不思議そうな顔で問い返した。
その団地も再開発が進んでいる。
石神様は今も笑っているのだろうか。
コメント一覧
創作丸分かりな雷鳥一号さんだ
彼らの目には、私達の営みはどう映っているのだろうか