もしも占い
コピペ投稿者:名無しさん
投稿者ID:HiE2SOoJ
コピペ投稿日時:2017/04/19 05:33
コピペ投稿日時:2017/04/19 05:33
102:◆PDh25fV0cw:2009/12/12(土) 14:24:50 ID:a7n66heg
あるところに奇妙な占い屋があった。なにが奇妙なのかというと、この占い屋は起こらなかった未来を占う、もしも占いなのだ。
誰しも、あの時あれをしていれば、と後悔したことはあるはずだ。
もしもその先、行動していた時の未来が見えるとするならば、誰しも知りたくなるだろう。
「あの、占って欲しいのですが」
小さなビルの一階、占い師の老年の男が占いの準備をしている時、一人の女性が占い屋に入ってきた。
薄いグレイのスーツを着た、OLのようだ。
「はいはい、わかりました。占いたい内容はなんでしょうか?」
「私、少し前に彼氏と別れたんです。それで、新しい男の人と付き合い始めたのですが、どうもしっくりこなくて」
「それで、もし前の男性と別れなければ今はどうなっていたか。それでいいですかな?」
「はい、そうです。仕事が手に付かない、というほどでもないですが、やはりすっきりしなくて」
「ここにくる人は皆、そういっています。大丈夫、きちんと見てあげますよ」
そう言うと占い師は、目の前の水晶に手をかざし、呪文のようなものを唱えだす。
時折、女性に質問し、また水晶に呪文を唱える。それを少し続けた後、占い師はおもむろに答えた。
「結果がでました。紙に書いてきますので少しお待ちを」
そうして後ろの部屋に向かい、5分もしないうちに戻ってくる。
「これに全て書いてあります。それでは代金の方をもらえますかな?」
「わかりました。ですが、なぜ結果をいちいち紙に書くのですか?口で言えばすむ話なのに」
「私も昔はそうしていました。しかしそうすると、代金を払わないで出て行ってしまう不届き物がおりまして。こうして紙に書いているのです」
「そうだったのですか。これが代金です」
女性から、代金としてお札を数枚受け取り、占い師は結果の紙を渡す。
女性が不安と期待、そして恐怖。それらがまぜこぜになった表情を浮かべ、少し興奮気味に占い屋を去って行く。
一仕事終えた占い師は、部屋の奥に向かった。
そこでは、共同経営者の、眼鏡の青年がパソコンで書類を作っていた。
この青年は、半年ほど前、この占い屋にお客としてきた時スカウトされて、この占い屋にいた。
青年は、小説家志望で文は上手いのだが、暗い話しか書けないのでどうにかして欲しいと相談に来たのだ。
そんなこと、プロの小説家に聞けといいたかったが、その時占い師はひらめいた。
そうして生まれたのがこの、もしも占いだ。
占い師が、巧みにお客の素性を喋らせ、マイクで聞いている青年が、それを文章にする。
青年の書く、生々しく寒気のするような文は、読んだ人を震え上がらせるに十分だった。
「しかし、毎回暗い話ばかりでいいのでしょうか?」
「いいんだよ。もしも、なんて聞きに来る人間は自分は間違って無かったと、聞きにきているだけなんだから。もしも、で幸福になると言ったら、怒って怒鳴り込んでくる奴もいるだろうさ」
「たしかに、そうですね」
そう他人の不幸は蜜の味。違う選択肢を選んだ自分はもう、他人なのだから。
コメント一覧
タイトルもベタだけどシンプルでよい。
占いをしてないのに占い師を名乗ってる時点で別にいい人じゃないけど、誰も損しない方法で商売を成り立たせてるから賢い人ではある
的確なコールドリーディングをした上で顧客が納得する答えを与える
一部助手の力を借りているとはいえ、占い師の職務は十分に全うしてるだろ
上機嫌で金払う事ってあるのかな
俺も50人の汗臭い作業服のおっさんたちに取り囲まれて
裸踊りやオナニーショーしてみせてこぞって「イイ!」「イイ!」
って称賛されながらいくつもの手で裸体をこねくられたい。
ありがとうございます。でも変態と言われるほうが
もっとうれしいですわ。