ゲームは不登校児も救う
コピペ投稿者:名無しさん
投稿者ID:ZDr9ke1Q
コピペ投稿日時:2018/06/16 11:14
コピペ投稿日時:2018/06/16 11:14
スマブラの話で必ず思い出すのが、小学生の時に不登校だったT君。小2から不登校になって一度も学校に来ず、俺は顔すら見たことなかったのだけど、小4の時に「プリントを渡しに行ってくれ」って先生から頼まれて、たまたま俺が行ったら、お母さんが出てきて、その時スマブラの音が聞こえた。
「お、スマブラだー」って呟いたらお母さんが「あ。知ってるの?遊んでく?」と聞かれて、俺が快諾すると、お母さんが嬉しそうにT君に話しに行く。10分ぐらいして家に上がる許可が出て、靴を脱いで中へ。初対面のT君にコントローラーを渡されて、ろくに会話もしないままゲームスタート。
「アイテムなし、ストック3で良い?」奇しくもT君が提案したルールは、いつも俺が友達と遊んでるものと同じだった。
そしてキャラ選択。
俺が選んだのはカービィ。色ももちろん青に変更した。大してT君は…
プリン!?
当時、罰ゲームでなければ誰も使っていなかったキャラだった。
「場所は?」「ハイラルで」俺のお気に入りのステージ。
そして始まる俺とT君の戦い。
結果はT君の圧勝。一度も機を減らすことすらできず、それどころか58%ぐらいしかダメージを蓄積できずに、俺は敗北した。
こんなにボコボコにされたのは初めてだった。
「もう1回!」
俺がそう言うと、T君は頷いた。
結局、3時間は遊んでいた。一度も勝てなかったどころか、一機すら削ることができなかった。
19時前になり、お母さんがT君を食事に呼ぶ。
「食べてく?」と聞かれたが、断った。今日は家でちらし寿司だから、給食もほどほどにしろと親父に言われていたのだ。
だが、こう言った。
「また来ます」
次の日、学校でT君の家でスマブラをしたことをクラスで話しまくった。「3時間で一回も吹っ飛ばせなかった。しかも使用キャラはプリン」その言葉にクラスの友達は興味津々だった。
早速その日の放課後、6人でT君の家に行った。
お母さんは少し驚いていたが、6人を迎え入れてくれた。
俺以外の一人ずつがT君に挑戦する。まずは藤原君。使用キャラはネス。結果はもちろん、T君の圧勝だった。
「もう1回やらせて!」藤原君が言う。だが2回目の結果も、0-3。
ここで全員に火がついた。「俺家からコントローラー持ってくる」吉田君がそう言って、家から出た。
戦いを見ているのが、みんな我慢できなかったのだ。早くT君と遊びたかったのだ。
間も無くして、吉田君がコントローラーを2つ持ってきて、4人対戦ができる状態になった。その間、菅原君があっという間に2回負けていた。
吉田君が「チーム戦をやろう!」と言って、T君俺vs吉田君近藤君の戦いに。
チーム戦でも、T君は凄まじい強さだった。俺なんていてもいなくても同じ。二人ともT君を倒すのに夢中で、実際俺は相手にされていなかった。結局二人を同時に相手しても、T君は1ストックも減らすことはなかった。
そこからは、1:2の戦いが続く。
だが3時間で、誰もT君の機を減らすことはできなかった。
この日も、ゲームの終わりはT君のお母さんの一言。「そろそろご飯よ。みんなも食べてく?」だった。全員が頷いた。
良いカレーの匂いに誘われたからではない。みんな、T君に興味があったのだ。
「こんなたくさんでご飯食べないから、狭くてごめんね」と言われたが、気にならなかった。それよりも。
「なんでそんな上手いの!?」「あれどうやってやんの?吹っ飛ばすやつ」
みんなそれぞれ、聞きたいことが山ほどあったのだ。
結局、ご飯の後にも1時間ほどゲームをやって、家に着いたのは21時だった。親父にしこたま怒られた。
翌日から、T君はプリン師匠と呼ばれるようになった。
それから、放課後はプリン師匠の家に行くのが決まりになっていた。毎日遊びに行ってもT君のお母さんは笑顔で迎え入れてくれた。
T君に聞いた方法で、攻撃を避ける。攻撃するタイミングをしっかりと見極め、無駄な隙を与えない。ジャンプの大きさも考える。
そして数日後、ようやくその時は訪れた。
ついに、T君から一機奪うことに成功したのだ。誰が奪ったかは正直覚えていない。その瞬間、俺はゲーム画面よりも、脳裏に焼き付いた映像があったからだ。
T君が、その時初めて悔しそうな表情をした。それが嬉しかったのだ。
結局、T君の家には毎日通っていた。ある日が来るまで。
その日の朝、いつものように俺は「プリン師匠の家、今日誰が行く?」なんて話をしていた。
朝礼の時に、先生が言った。
「今日から、T君が登校を再開します」
そう言うと、T君が扉を開け、教室に入ってきた。
家で見るT君より少し小さく見えた。だが、それは紛れもなくT君、いやプリン師匠だった。
「あ!プリン師匠!」
「師匠!」
俺たちがそう言うと、師匠は少し笑った。
T君が学校に来たことで、他のクラスのスマブラ勢の家にもT君を連れていけるようにもなった。
だが、結局T君よりスマブラが強い人は、一人も学年にいなかった。
T君は卒業する頃には、学年で有名人だった。
俺があの時T君と仲良くなれたのは間違いなくスマブラのおかげだ。
口下手でも無口でも関係ない。「ゲームが強い」という事実は、すべてを吹き飛ばせる。
ゲームが勉強に役立つか、オリンピック種目に値するかはわからない。
だがゲームには、無限の魅力がある。俺はT君との出会いでそれを知った。
「お、スマブラだー」って呟いたらお母さんが「あ。知ってるの?遊んでく?」と聞かれて、俺が快諾すると、お母さんが嬉しそうにT君に話しに行く。10分ぐらいして家に上がる許可が出て、靴を脱いで中へ。初対面のT君にコントローラーを渡されて、ろくに会話もしないままゲームスタート。
「アイテムなし、ストック3で良い?」奇しくもT君が提案したルールは、いつも俺が友達と遊んでるものと同じだった。
そしてキャラ選択。
俺が選んだのはカービィ。色ももちろん青に変更した。大してT君は…
プリン!?
当時、罰ゲームでなければ誰も使っていなかったキャラだった。
「場所は?」「ハイラルで」俺のお気に入りのステージ。
そして始まる俺とT君の戦い。
結果はT君の圧勝。一度も機を減らすことすらできず、それどころか58%ぐらいしかダメージを蓄積できずに、俺は敗北した。
こんなにボコボコにされたのは初めてだった。
「もう1回!」
俺がそう言うと、T君は頷いた。
結局、3時間は遊んでいた。一度も勝てなかったどころか、一機すら削ることができなかった。
19時前になり、お母さんがT君を食事に呼ぶ。
「食べてく?」と聞かれたが、断った。今日は家でちらし寿司だから、給食もほどほどにしろと親父に言われていたのだ。
だが、こう言った。
「また来ます」
次の日、学校でT君の家でスマブラをしたことをクラスで話しまくった。「3時間で一回も吹っ飛ばせなかった。しかも使用キャラはプリン」その言葉にクラスの友達は興味津々だった。
早速その日の放課後、6人でT君の家に行った。
お母さんは少し驚いていたが、6人を迎え入れてくれた。
俺以外の一人ずつがT君に挑戦する。まずは藤原君。使用キャラはネス。結果はもちろん、T君の圧勝だった。
「もう1回やらせて!」藤原君が言う。だが2回目の結果も、0-3。
ここで全員に火がついた。「俺家からコントローラー持ってくる」吉田君がそう言って、家から出た。
戦いを見ているのが、みんな我慢できなかったのだ。早くT君と遊びたかったのだ。
間も無くして、吉田君がコントローラーを2つ持ってきて、4人対戦ができる状態になった。その間、菅原君があっという間に2回負けていた。
吉田君が「チーム戦をやろう!」と言って、T君俺vs吉田君近藤君の戦いに。
チーム戦でも、T君は凄まじい強さだった。俺なんていてもいなくても同じ。二人ともT君を倒すのに夢中で、実際俺は相手にされていなかった。結局二人を同時に相手しても、T君は1ストックも減らすことはなかった。
そこからは、1:2の戦いが続く。
だが3時間で、誰もT君の機を減らすことはできなかった。
この日も、ゲームの終わりはT君のお母さんの一言。「そろそろご飯よ。みんなも食べてく?」だった。全員が頷いた。
良いカレーの匂いに誘われたからではない。みんな、T君に興味があったのだ。
「こんなたくさんでご飯食べないから、狭くてごめんね」と言われたが、気にならなかった。それよりも。
「なんでそんな上手いの!?」「あれどうやってやんの?吹っ飛ばすやつ」
みんなそれぞれ、聞きたいことが山ほどあったのだ。
結局、ご飯の後にも1時間ほどゲームをやって、家に着いたのは21時だった。親父にしこたま怒られた。
翌日から、T君はプリン師匠と呼ばれるようになった。
それから、放課後はプリン師匠の家に行くのが決まりになっていた。毎日遊びに行ってもT君のお母さんは笑顔で迎え入れてくれた。
T君に聞いた方法で、攻撃を避ける。攻撃するタイミングをしっかりと見極め、無駄な隙を与えない。ジャンプの大きさも考える。
そして数日後、ようやくその時は訪れた。
ついに、T君から一機奪うことに成功したのだ。誰が奪ったかは正直覚えていない。その瞬間、俺はゲーム画面よりも、脳裏に焼き付いた映像があったからだ。
T君が、その時初めて悔しそうな表情をした。それが嬉しかったのだ。
結局、T君の家には毎日通っていた。ある日が来るまで。
その日の朝、いつものように俺は「プリン師匠の家、今日誰が行く?」なんて話をしていた。
朝礼の時に、先生が言った。
「今日から、T君が登校を再開します」
そう言うと、T君が扉を開け、教室に入ってきた。
家で見るT君より少し小さく見えた。だが、それは紛れもなくT君、いやプリン師匠だった。
「あ!プリン師匠!」
「師匠!」
俺たちがそう言うと、師匠は少し笑った。
T君が学校に来たことで、他のクラスのスマブラ勢の家にもT君を連れていけるようにもなった。
だが、結局T君よりスマブラが強い人は、一人も学年にいなかった。
T君は卒業する頃には、学年で有名人だった。
俺があの時T君と仲良くなれたのは間違いなくスマブラのおかげだ。
口下手でも無口でも関係ない。「ゲームが強い」という事実は、すべてを吹き飛ばせる。
ゲームが勉強に役立つか、オリンピック種目に値するかはわからない。
だがゲームには、無限の魅力がある。俺はT君との出会いでそれを知った。
コメント一覧
生前、「“労力の割に周りが認めてくれること”が,きっとあなたに向いてること。それが“自分の強み”を見つける分かりやすい方法だよ」 まさにこれだと思った。
母親もいいね。自分もこうなれるだろうか
自己紹介とかいらねえから
いい話だなって思えて、また読めて良かったよ
ありがとう