コピペ運動会

突然だが俺は郷ひろみが大好きだ。大好きなんてもんじゃない。
ファンクラブも入ってるしライブにも２０回以上足を運んでいる。
高校の時の下敷きクリアファイルも郷ひろみだった程だ。
そんな俺はもちろんパチンコも郷ひろみを打つ。先日のことだ。
俺が郷ひろみの確変を消化していた。当たると大当たり中の曲を選べるわけなんだが
隣のババアがいきなり『お兄ちゃん、「言えないよ」にしてよ！』と言ってきた。
俺の怒りは一気に頂点になった。
「言えないよ」はもちろん名曲だが、真のヒロさんファン（通の間ではヒロさんと呼ぶのがベター）は
哀愁カサブランカに決まってる。
「おいババア、ヒロさんのファンでもなんでもないくせに口出しすんじゃねーよ」
俺は言い放つ。ババアがこたえる。
「私だって２０年以上応援してるわよ！」
「はい？なんだって？２０年以上応援してて「言えないよ」を推すわけ？
　おいババアヒロさんのシングル古い順から言ってみろや」
「え・・・そんなの・・・言えるわけないじゃない！」
そーーれ見たことか。さっそく化けの皮剥がれやがったぜ。
「おいババア。シングル曲も古い順に並べられない癖に知った風な口利くなよコラ」
「なによ！じゃぁアンタ言ってみなさいよ！」
真のヒロさんファンの俺はもちろんスラスラ答えた。ババア完全敗北で沈黙。
ヒロさんの名誉を守れた俺は満足げだった。
「さーてうるさいババアを黙らせたことだし続きを楽しもう」そう思って台を見た。
大当たりは全ラウンドパンクでいつの間にか終わっていて、更にはへそ保留で単発が当たっていた。
俺は泣いた。
そしてこの悲しい傷を癒すため、珠玉のバラード「言えないよ」を泣きながら流したのである。
ババアはとても満足そうだった。