コピペ運動会

　人工多能性幹細胞（ｉＰＳ細胞）を使った世界初の治療をしたと発表し、その後大半はうそと認めた
森口尚史氏（４８）。騒動から約１カ月、同氏が現在の心境などについて日刊スポーツの取材に答えた。
一連の報道からこれまでを「怒濤（どとう）の１カ月」と振り返り、帰国後は食事が喉を通らず、体重が
１４キロ減ったことを明かした。現在、貯金通帳にあるのは約１５万円で「生活は非常に苦しい」とも。
落ち着いたら就職活動を始めたいとし「今までの経験を生かして、コラムを書きたい」と貪欲に語った。

　－あの騒動を今、振り返って

　森口氏　とにかく怒濤の１カ月でした。東大への手続きや、雑誌の取材などで多忙な毎日で、遊んでいる
日は１日もなかった。自分の潔白を証明する書類を作るのは夜中しかできないから、落ち着かない日々
でしたね。

　－現在の体調は

　森口氏　帰国してからは、体重が１４キロも落ちてしまいました。実家にいたずら電話がたくさん来たり、
家族にも迷惑をかけてしまった。家族のことを考えたら、なかなかご飯が喉を通らなくてね。

　－１０月１９日付で東大病院を解雇になったが、生活は

　森口氏　収入が０円ですから、非常に苦しい状況ですね。貯金通帳を見ても、１５万しか残ってない。
解雇になる前の給料は総支給額４６万円で手取りは３６万円。ボーナスはなし。家賃、光熱費、携帯代、
食事代を除いて、余ったお金はみんな研究費として使っていたから、貯金はほとんどしてないんですよ。
家賃を払ってないという報道もあったが、１０月分もちゃんと払ったし、１１月分だって払います。

http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20121110-1044846.html
人工多能性幹細胞（ｉＰＳ細胞）についての書類を手に説明をする森口尚史氏



(>>2に続く)


　－今の心境は

　森口氏　いろんな誤解があって、人間関係もめちゃくちゃになって、人間不信になった。ほとんど私の話を
聞いてくれないし、メディアに悪人扱いされて。本当に許せない。

　－今後、仕事はどうするのか

　森口氏　落ち着いたら就職活動したいと思ってます。でも、この状況だと就職しにくいけど。できればこれまで
の経験を生かして、本を出したり、雑誌や新聞のコラムを書きたい。

　－どんなことを書く

　森口氏　今回の騒動について、あるいは今まで研究してきたテーマを書きたい。そこらへんのライターより、
やってきたことは自信はあるからより詳しいことを書けますよ。

　－ｉＰＳ細胞を使った治療について、あらためて伺いたい

　森口氏　間違いなくやりました。学会でも１例について発表しているし、証拠もすべてそろっている。裁判に
なっても、勝てるだけの証拠はある。

　－証拠とは

　森口氏　手術した書類も、患者の書類もある。ハーバード大からの、ｉＰＳ細胞関連のメールもある。今後、
手術記録をきちんと出して証明したい。このままだと、死んでも死にきれないよ。【構成＝細江純平】