コピペ運動会

親父は家族の前でよくオナラをするんだが
「くさ～い」と文句を言うと、「国家のためだ、我慢しろ」と言い返された。
「オナラと仕事(親父は警察官)は関係ないじゃん」と思いつつも
上手い返しの言葉も思いつかなかったので、そのまま黙っていた。

数年後、親父は「地方公務員」というものだと分かるようになった
ある日、いつものようにオナラをする親父に「くさいな～」と文句を言うと
案の定「国家のためだ、我慢しろ」と言ってきたので「あんたは、国家公務員
じゃなく地方公務員だろ」と返すと「お、よく知ってるな」と、ちょっと驚いた
が、それ以降も度々「国家のためだ～」と言うので、その度に「あんたは地方
公務員」とやり返した。

更に数年後、昇級した親父は警視から警視正になった。
いつもの、ﾌﾞｯ→「くせ～な～」→「国家のためだ～」→「あんたは地方公務員」
と言うと「警視正は国家公務員なんだよ」と得意気に言い返してきた。
調べてみると、階級が警視までは地方公務員だが、警視正以上は国家公務員と
なるらしい。
親父のオナラに国の後ろ盾が付いてしまった。

更に更に数年後、親父は警察を定年退職した。
年のせいか回数は減ったが、相も変わらず家族の前でオナラをする癖は直らず。
ある日、ﾌﾞｯ→「くさいよ～」→「国家のためだ～」→「あんたもう国家公務員
じゃないだろう」と数年ぶりに言い返した。
「警視正時代は言い返せなかったが、とうとう言い返せるようになったぜ！」
と喜んだのもつかの間、急に寂しい気持ちになり、それからはオナラをしても
文句を言うのを止めた。