442 :本当にあった怖い名無し :2007/04/12(木) 07:14:08 ID:E3Pde0GDO
その日、我が剣道部の精鋭五名は決戦の舞台である武道館へと電車で 向かっていた。
高まる緊張感が車内での五人を沈黙させる・・
皆が緊張に押し潰されそうになっていたその時、普段は寡黙な部長が
口を開いた。
「俺らが練習で流してきた血と汗を信じよう。」
皆の顔つきが変わる。
そう、辛かった鍛練の日々は彼らに自信と言う名の力を与えていたの
である。
揺るがぬ自信が、緊張を闘志へと変えていく。
「勝とう!」
皆の心が一つになる。
気合いの入った五人の若武者は颯爽と電車を下車した。
怖れるものは何もない、あふれ出る闘志が皆の歩を早める。
武道館へとつながる長い坂道を力強く上っていく五人。
その時、部員の一人が呟いた。
「あれ?俺ら防具は?」
同時刻、網棚に持ち主不在の五人分の防具を乗せた電車は終点目指し
力強く歩を進めていたのであった・・
戦わずして勝つ
その日、対戦予定だった相手校は武道の極意を学んだ事であろう。
完