539 名前:名無しのオプ[sage] 投稿日:2009/05/21(木) 22:58:12 ID:QNalLGIa
「ねえ、お母さん、結婚したら一緒に住むって話、考えてくれた?」 「ダメよ、何を言ってるのよ。せっかくの新婚生活なのに。慎一さんにだって迷惑がかかるじゃない」
「大丈夫だって。慎一さんちは資産家で家だって大きいんだから。べつに気にする必要ないって」
「そういう問題じゃないわよ。『嫁入り道具に余計なモノまで付いてるわね』なんて笑われたら、お母さん、恥ずかしくって相手のご家族に顔向けできないわよ」
「あははは、出来ちゃった結婚で嫁入りしようっていうのに、今更恥ずかしいことなんて何もないってば」
「あら・・・大きなお腹抱えて大笑いして・・・いい大人が子供みたいに。あなた、もう三十歳でしょう? すこしは大人らしくしなさいな」
「まだ二十九ですよーだ。とにかくさ、結婚したら一緒に住も。今日はこれから慎一さんとデートなんだから、きちんと話をすれば大丈夫だって」
「いやよ、お母さん、同居なんて。慎一さんだって嫌がるに決まってるわ」
「だってこのままこの家で一人で暮らすってわけにもいかないでしょう。二十年前にお父さんが死んで、もう貯金だってほとんどないのにどうやって生活していくの?」
「パートでもなんでも働けば一人分の食い扶持くらい稼いでいけるわよ」
「いままで働いたことだってないんだから、いい年して今更働きに出るなんてムリに決まってるじゃない」
「まったくこの子は減らず口ばかりで・・・。ほら、そろそろ慎一さんが迎えに来る時間よ。準備しないと」
「あら、ホントだ。じゃあ、お母さん、お小遣いちょうだい」
「もう、この子ったらもうすぐ三十になるっていうのに・・・。ほら、これで美味しいものでも食べてきなさいな」
「ありがとう、お母さん。じゃあ、お寿司でも食べようかな」
「お腹がすくからって食べ過ぎちゃだめよ。お腹が大き過ぎると体だって危ないんだからね」
「はーい。いってきまーす」
「おまたせ、慎一さん」
「どうしたの? ずいぶん時間かかってたようだけど」
「ごめんなさい。息子の相手してたら時間がかかっちゃって」
「ああ、ニートの敏明くんか。さっき元気に寿司屋に入っていったが・・・。ありゃ太り過ぎなんじゃないか?」
「ええ。今度生まれてくるお腹のこの子にはあんな風になってほしくないわ、まったく」
コメント一覧
これはいいコピペ
久々にうまいコピペ
先入観ってすごいな
最初読んだ時は全く意味がわからなかったけどw
嫁入り前の娘と母の親子かとおもいきや
闘わなきゃ現実と
ハハ
(゚ω゚)
/ 丶キュッキュッ
_/ ┃))_i |_
/ \⌒) (_ノ\\
‾‾‾‾‾
ハハ
(゚ω゚)
|‾‾‾‾‾‾| トン
_0お断りします0
/|______|\
それもラストへの布石と考えられるし、
すごい良コピペ
親切な人たちが集合してしまったでござる
こういう話大好きだから、ググりやすくなってマジ感謝です。
ありがとう。
私も本はたくさん読むからこういうの大好きです
長い旅路で忘れたよ
オチを見ると途端にクソずうずうしい息子だなと感じる