481 774RR :2009/09/26(土) 21:46:01 ID:0qQJ1NKd
「教授は、課題を出します。」
「なぜ出すのだ。」
「習得度を確かめる、というのですが、誰もそんな、勉強を行っては居りませぬ。」
「たくさんの人を落としたのか。」
「はい、はじめは教授の妹婿さまを。それから、御自身のお世嗣(よつぎ)を。
それから、リア充を。それから、ボッチさまを。それから、ヒッキーさまを。それから、DQNのアレキス様を。」
「おどろいた。教授は乱心か。」
「いいえ、乱心ではございませぬ。単位を、やる事が出来ぬ、というのです。
このごろは、新入生の心をも、お疑いになり、少しく授業をさぼる者には、
穴埋めの課題を差し出すことを命じて居ります。御命令を拒めばFにされ、落とされます。きょうは、六人落とされました。」
聞いて、メロスは激怒した。「呆(あき)れた教授だ。生かして置けぬ。」
メロスは、単純な男であった。ラケットを、背負ったままで、のそのそ研究室にはいって行った。
たちまち彼は、研究室の院生に捕縛された。調べられて、メロスの懐中からはレポートが出て来たので、騒ぎが大きくなってしまった。
メロスは、教授の前に引き出された。
「このレポートの参考文献は何か。言え!」暴君ディオニスは静かに、けれども威厳を以(もっ)て問いつめた。
その教授の顔は蒼白(そうはく)で、眉間(みけん)の皺(しわ)は、刻み込まれたように深かった。
「wikipediaだ。」とメロスは悪びれずに答えた。
「ネットのか?」教授は、憫笑(びんしょう)した。「仕方の無いやつじゃ。おまえには、文章の信頼性がわからぬ。」
「言うな!」とメロスは、いきり立って反駁(はんばく)した。
「学生に単位をやらぬのは、最も恥ずべき悪徳だ。教授は、学生の試験をさえ疑って居られる。」
「疑うのが、正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、おまえたちだ。
当校の学生は、あてにならない。偏差値は、もともと30台さ。信じては、ならぬ。」
暴君は落着いて呟(つぶや)き、ほっと溜息(ためいき)をついた。「わしだって、全員卒業を望んでいるのだが。」
コメント一覧
そこには元気に走り回るメロスの姿が!
これ何かの規制に引っ掛かってるらしいな
大学の図書館に過去の授業のデータがあった
厳しいことで有名な某教授のデータを見るとある授業では150人いるのに8名しか選択せず、合格者0なんていう授業があった
生け贄を教授に渡して、期限内にレポート出せなきゃ生け贄は人体実験にでもされるのか…