コピペ運動会

７年前の夏の終わりの雨の日のこと｡
猫好き友人２人につきあって､大学構内のねこだまりに遊びに行った｡
大人の猫の中に子猫が一匹混じってた｡
黒白の八割れ模様｡痩せた身体が雨に濡れて余計みすぼらしくなってた｡
そいつは猫缶持参の友人ではなく､なぜか手ぶらの私の元へ｡
しかも､しゃがんだ私の膝に足をかけ､よじ登り､
膝の上でしばらくくつろいで､そのうち居眠りまで始めた｡
｢ずｰずｰしいけど､可愛い奴｣と思いながら､しばらく見守っていた｡
でもそろそろ行かなくちゃと立ち上がると､今度は両前足を私の足にかけてﾐｬｰﾐｬｰ鳴いた｡
｢ど､どうしよう．．．？｣と言う私に､友人は､
｢ま､じっくり考えれば？｣とﾄﾞﾗｲな回答だけして､先に帰ってしまった｡

その子猫を膝に乗せ､雨の音を聞きながらしばらく考えた｡
自分は学生１人暮らしで､就職先でも１人暮らし決定済み｡
これから卒業に向けてどんどん忙しくなるし､果たして１人で世話なんて出来るだろうか？
猫の寿命が１５年くらいだとして､自分はそのとき４０歳近く｡
それまで自分も生活や環境が色々変わるだろうし､ずっと飼い続けられるだろうか？
可愛いけど､一時の感情や思いつきで飼って､不幸にしたら可哀想だし．．．

色々考えたけど､結論は｢飼う｣だった｡
先のことなんかわからないけど､もし何かあっても猫だけは守ろうって､子猫に誓いを立てた｡
抱っこして研究室に戻ると､友人からは｢やっぱりね｣｡でも祝福された｡

次の日から獣医に通い､猫風邪､それに伴う目ﾔﾆ､おなかの虫､ﾉﾐ､色々格闘したけど
それらも全て良くなり､今ではすっかり我が物顔で部屋の中にどっしりと座ってる｡
普段はｶｯｺつけて生意気そうな感じなのに､意外に抱っこされたがりで可愛い｡
１年後もう１匹猫を向かえ､２匹仲良くしています｡