私がうんと小さい、小学1、2年生の頃に経験したことです。
人付き合いが苦手で、いつも姉の後ろにばかりついて回ってた私には、一日だけ、長く楽しく遊んだ女の子がいます。
ただ一日だけで、次の日から見かけなくなり、親に聞いてみても「そんな子知らないなぁ」と言うだけ。
それ以上何も無かったので、十数年間すっかり忘れてしまっていました。
姉は誰とも仲が良くて、よく友達と遊んでいました。それをいつも私はつまらなさそうに見つめて、何も言わずにその場から去るのが常。その日もそんな感じで一人でどこに行くとも無くぶらぶらしてました。
そのときに、道路の端の草むらで女の子を見つけたんです。
その子、仮にSちゃんと呼ぶとして、髪が大体腰あたりまである子で、うずくまってなにやらいじくっていました。
姉も大体あれくらいの長さがあって、てっきり姉だと勘違いして声をかけてみたら全然知らない子だったのでびっくりしました。
でも年齢的には私と同じくらいなので、何か嬉しくなって一緒に遊んだんです。
そうこうしているうち、ふと気になったんで「家はどこなの?」と聞いてみました。
そしたらSちゃんは草むらからちょっと離れた空き地を指したんです。私達のいる場所と同じく草がいっぱい生えた場所で、家なんか建ってません。
「ないじゃない」と言っても「あそこなの」と言うだけなので、近くまで行ってみました。
大体胸あたりまで大量に生えてる草むらの中に何か黒いものがあって、たぶん井戸だったと思います。Sちゃんはあれを指して「あそこに母さんがいるの」と言ったんです。
Sちゃんはその井戸に近づいてほら、と促すのですが、私は井戸の中を見てはいけない気がしてそこから動きませんでした。子供ながらに何か感じていたんでしょう。
Sちゃんが井戸の中を見つめ、私がSちゃんを見つめているなか、遠くから姉が私を呼ぶ声が聞こえ、そっちに振り向いたんです。
遊んでいた公園から姉がこっちに向かって歩いてきていました。
私が再びSちゃんの方に顔を向けると、誰もいなかったんです。それどころか井戸も見当たりません。
「どうしたの」と姉が聞いてきても、私は何かあったとき即座に対応なんてできる子じゃなかったので何も言えませんでした。
家についてからやっと話したんですが、姉は私の傍には誰もいなかったと言うし、どこかに行ったとしたら姿ぐらい見えるはずなんですが、人通りの少ない道路に私がぽつんと立ってただけだった、と。
親に話してみてもSちゃんに心当たりは無く、井戸も見たことが無いそうです。
これは確かに私が昔経験した話です。ただ、やはりというか誰も信じてくれませんでした。
今考えてみれば、あの子の母親はきっとあの井戸で死んでいるんでしょう。
もしかしたら、Sちゃんも一緒かもしれません…
人付き合いが苦手で、いつも姉の後ろにばかりついて回ってた私には、一日だけ、長く楽しく遊んだ女の子がいます。
ただ一日だけで、次の日から見かけなくなり、親に聞いてみても「そんな子知らないなぁ」と言うだけ。
それ以上何も無かったので、十数年間すっかり忘れてしまっていました。
姉は誰とも仲が良くて、よく友達と遊んでいました。それをいつも私はつまらなさそうに見つめて、何も言わずにその場から去るのが常。その日もそんな感じで一人でどこに行くとも無くぶらぶらしてました。
そのときに、道路の端の草むらで女の子を見つけたんです。
その子、仮にSちゃんと呼ぶとして、髪が大体腰あたりまである子で、うずくまってなにやらいじくっていました。
姉も大体あれくらいの長さがあって、てっきり姉だと勘違いして声をかけてみたら全然知らない子だったのでびっくりしました。
でも年齢的には私と同じくらいなので、何か嬉しくなって一緒に遊んだんです。
そうこうしているうち、ふと気になったんで「家はどこなの?」と聞いてみました。
そしたらSちゃんは草むらからちょっと離れた空き地を指したんです。私達のいる場所と同じく草がいっぱい生えた場所で、家なんか建ってません。
「ないじゃない」と言っても「あそこなの」と言うだけなので、近くまで行ってみました。
大体胸あたりまで大量に生えてる草むらの中に何か黒いものがあって、たぶん井戸だったと思います。Sちゃんはあれを指して「あそこに母さんがいるの」と言ったんです。
Sちゃんはその井戸に近づいてほら、と促すのですが、私は井戸の中を見てはいけない気がしてそこから動きませんでした。子供ながらに何か感じていたんでしょう。
Sちゃんが井戸の中を見つめ、私がSちゃんを見つめているなか、遠くから姉が私を呼ぶ声が聞こえ、そっちに振り向いたんです。
遊んでいた公園から姉がこっちに向かって歩いてきていました。
私が再びSちゃんの方に顔を向けると、誰もいなかったんです。それどころか井戸も見当たりません。
「どうしたの」と姉が聞いてきても、私は何かあったとき即座に対応なんてできる子じゃなかったので何も言えませんでした。
家についてからやっと話したんですが、姉は私の傍には誰もいなかったと言うし、どこかに行ったとしたら姿ぐらい見えるはずなんですが、人通りの少ない道路に私がぽつんと立ってただけだった、と。
親に話してみてもSちゃんに心当たりは無く、井戸も見たことが無いそうです。
これは確かに私が昔経験した話です。ただ、やはりというか誰も信じてくれませんでした。
今考えてみれば、あの子の母親はきっとあの井戸で死んでいるんでしょう。
もしかしたら、Sちゃんも一緒かもしれません…
コメント一覧
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※1
Well,a Well is well enough.
と日英共同で使えるジョークじゃんwww