私はあいつを許さない。私のたった一人の息子は優秀な男だった。
息子には光り輝やく未来があったのに、それをあいつは台無しにした。
憎んでも憎んでもまだ足りない。
今もテレビにうつっているこのふてぶてしいA彦...
A彦は、自宅へもう少しのところで報道陣に囲まれていた。
「捜査がはじまっているそうですが、感想は?」
「あなたが殺したんですか?」「良心はいたまないのですか?」
ちくしょうA彦は心の中でつぶやいた。
"○高校に受かったことを誇らしげに言いふらしやがって、
やつは生意気だったから、死んで当然なんだ"
"呼び出して殴ったら死んだから
オヤジにもみ消してもらったのに、
マスコミがかぎつけやがった"
マスコミの連中は容赦なく詰め寄ったが、
A彦は自宅前の人の渦からようやく抜け出て自宅に駆け込み、
靴を脱ぎながらホッと一息ついた。
ほっとしたら腹が減った。ご飯はできているだろうか?
台所に入っていったA彦が見たものは、包丁を構えた祖母だった。
私は許さない。私の優秀な息子は警察で順調に出世していたのに
馬鹿な孫が起こした事件をもみ消そうとしたばかりに免職となった。
この始末は、私がつけねばなるまい。
息子には光り輝やく未来があったのに、それをあいつは台無しにした。
憎んでも憎んでもまだ足りない。
今もテレビにうつっているこのふてぶてしいA彦...
A彦は、自宅へもう少しのところで報道陣に囲まれていた。
「捜査がはじまっているそうですが、感想は?」
「あなたが殺したんですか?」「良心はいたまないのですか?」
ちくしょうA彦は心の中でつぶやいた。
"○高校に受かったことを誇らしげに言いふらしやがって、
やつは生意気だったから、死んで当然なんだ"
"呼び出して殴ったら死んだから
オヤジにもみ消してもらったのに、
マスコミがかぎつけやがった"
マスコミの連中は容赦なく詰め寄ったが、
A彦は自宅前の人の渦からようやく抜け出て自宅に駆け込み、
靴を脱ぎながらホッと一息ついた。
ほっとしたら腹が減った。ご飯はできているだろうか?
台所に入っていったA彦が見たものは、包丁を構えた祖母だった。
私は許さない。私の優秀な息子は警察で順調に出世していたのに
馬鹿な孫が起こした事件をもみ消そうとしたばかりに免職となった。
この始末は、私がつけねばなるまい。
コメント一覧
「殺戮にいたる病」を思い出した。
ありがとう。教えてもらうまで意味が分からなかった。
なるほど、最初と最後の場面は同じ人なんだね。
面白かったけど
読者の心理のみに働きかける物で登場人物の心理に影響しない事と
あくまで虚偽ではなく事実のみによって読者を誘導する事が特徴。
どう見ても叙述トリックです。
本当にありがとうございました。
実はAの事件を揉み消した父の母親だったというオチ。
見せかけておいて、の部分が叙述トリックなんじゃないのか。どうみてもry
あのくらい大規模にしてくれると読んでて楽しいんだが
それは倒叙