8 :1 ◆qPv2XYsWjI :2008/01/27(日) 18:39:19
微妙に不思議な話 その1 祖父が重篤な病に倒れ、明日をも知れないという時、祖父の病床には親戚・縁者が集まった。
総勢で10人もいただろうか。
当時、中学生であった私は、こともあろうにその席で、不埒な考えをめぐらせていた。
祖父が亡くなれば、その財布の中身は必要ないだろう。
どうせなら小遣いでもくれて死ねばいいのに、などと。
すると、意識も定かではない祖父が、むっくりと半身をもたげ、一同の中からこの私を手招きするではないか。
そして、おもむろに祖父はこう言った。
「○○坊、ようきたなあ。そら、手を出せ」
枕もとの財布から千円札を3枚ほど抜くと、それを私の手に握らせたのだ。
ああ、死かけたた者は心を見抜くものだなと、身を小さくしたものだ。
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そりゃ身を小さくもするわ。