タロウの手が私の腕に食い込んで痛い
あんなに優しかったタロウの手が、かつて戦った怪獣達の様に荒々しく
今は私を乱暴に押さえつけている
どうしてこんなことになってしまったのだろう
思い返して見れば、タロウの何気ない一言から、全て始まってしまったのだと思う
「母さん、うちでも…その…そういう格好はしないでもいいと思うんだ」
そういう格好、というのはたぶん、私のいつもの格好のことを言ったのだと思った
「え?何が変?」
素直に疑問に思ったことを口に出しただけだったけれど
それが何か気に障ってしまったようで、明らかに不服そうにタロウは言った
「怪獣と戦ってない時くらい、そんな…その、なんていうか…」
言いよどむタロウ
何か言いにくいことでもあるんだろうかと思った矢先
「そ、そんな体のラインとか…ピッチリ出るような格好しなくてもいいだろ…っ」
驚いた。息子の、タロウの口からそういう指摘がなされるなんて思ってもみなかったから
だってそんなこと、今まではあの人が皮肉っぽく冗談めかして
「またお尻が大きくなったんじゃないか?」だの
「母さんはいつまでたってもスタイルいいから、ウルトラな格好がよく似合うねぇ」だの
そんなことを言いながらちょっとエッチな視線で私を見つめてくるくらいで
私もその度にちょっと怒ってみながらも、なんだか悪い気はしないでいたくらいだもの
だけど息子に体のラインや格好のことを指摘されるのは話が違うと思う
だって何より、家族というか、母子なわけだし、それを変に意識するのはおかしいじゃない
「あら、気にしなくていいじゃない?家族なんだし、動きやすい格好の方が楽でいいでしょ?」
「それでも上に何か羽織るとか、何か重ねて着るくらいしたっていいだろ」
タロウがなんでこんなに不機嫌そうなのかわからなくって
私も少し、つい語気を荒げて言い返してしまう
「だけどこの格好見るのなんてお父さんとタロウくらいでしょ?外でも怪獣と戦う時以外は
こんな格好しないし…母さんがこんな格好して家にいることで、誰かに何か迷惑かけた?」
「迷惑だから言ってるんだってわからないの?」
そう言って私を見据えるタロウの目が、なんだか、少しだけ怖かった
あんなに優しかったタロウの手が、かつて戦った怪獣達の様に荒々しく
今は私を乱暴に押さえつけている
どうしてこんなことになってしまったのだろう
思い返して見れば、タロウの何気ない一言から、全て始まってしまったのだと思う
「母さん、うちでも…その…そういう格好はしないでもいいと思うんだ」
そういう格好、というのはたぶん、私のいつもの格好のことを言ったのだと思った
「え?何が変?」
素直に疑問に思ったことを口に出しただけだったけれど
それが何か気に障ってしまったようで、明らかに不服そうにタロウは言った
「怪獣と戦ってない時くらい、そんな…その、なんていうか…」
言いよどむタロウ
何か言いにくいことでもあるんだろうかと思った矢先
「そ、そんな体のラインとか…ピッチリ出るような格好しなくてもいいだろ…っ」
驚いた。息子の、タロウの口からそういう指摘がなされるなんて思ってもみなかったから
だってそんなこと、今まではあの人が皮肉っぽく冗談めかして
「またお尻が大きくなったんじゃないか?」だの
「母さんはいつまでたってもスタイルいいから、ウルトラな格好がよく似合うねぇ」だの
そんなことを言いながらちょっとエッチな視線で私を見つめてくるくらいで
私もその度にちょっと怒ってみながらも、なんだか悪い気はしないでいたくらいだもの
だけど息子に体のラインや格好のことを指摘されるのは話が違うと思う
だって何より、家族というか、母子なわけだし、それを変に意識するのはおかしいじゃない
「あら、気にしなくていいじゃない?家族なんだし、動きやすい格好の方が楽でいいでしょ?」
「それでも上に何か羽織るとか、何か重ねて着るくらいしたっていいだろ」
タロウがなんでこんなに不機嫌そうなのかわからなくって
私も少し、つい語気を荒げて言い返してしまう
「だけどこの格好見るのなんてお父さんとタロウくらいでしょ?外でも怪獣と戦う時以外は
こんな格好しないし…母さんがこんな格好して家にいることで、誰かに何か迷惑かけた?」
「迷惑だから言ってるんだってわからないの?」
そう言って私を見据えるタロウの目が、なんだか、少しだけ怖かった
コメント一覧
過去形ですか…
まだ終わらんよ!