157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/29(日) 18:56:51.47 ID:0+DxyJwG0
両親は、仲が悪いのだと思っていた。冷たく見えるぐらい素っ気なかったから。
両親の兄弟姉妹などから、幼なじみで大恋愛だったとか、周りの反対を押しきって結婚したんだとか聞かされても、到底信じられなかった。
母が子宮癌で手術を受けた。
手術の終わる時刻を見計らって病院へ行くと、父が母のベッドの傍に座り、好きな歴史小説を読んでいた。
麻酔から覚醒したのか、母が痛い痛いと呻きだした。
父は即座に小説を閉じ、母の右手を両手で包み込んだ。
『ユミ、大丈夫だよユミ…』
まだ意識が戻りきっていないながらも、父の声に母が反応して答えた。
「タカちゃん…痛いよ…タカちゃん…」
父と母が名前で呼び合うのを聞いたのは、それが初めてで、最後だった。
母の通夜の後、棺の中の母の頬を何度も何度も父は撫でていた。
黙って撫でていた。
コメント一覧
> 7. 名前: 投稿日: 2006年10月16日 12:11 ID: icXUrtH30 [編集]
>「タカちゃん~」という言葉に
>勝手にエロゲ臭を感じた俺は
>本当に、心底腐ってると思った
時を越えて腐ってるマイハートに愕然とする
死のう…
罰ゲームですか
(;_;)
このコピペと、親父が「綺麗だろ?」って息子に言うのと、嫁がゴラァ連発するのは大好き。
どれも切ないけどさ。