転載元:仮面ライダーになりたかった戦闘員
仮面ライダーになりたかった戦闘員 名無し 04/06/03(木)01:11:19 No.112983
バイクの音が走り去る。
……ああ、行ったのか。今日の奴は……どんなんだっけ。
バイクが喋ってた奴か?
ま良いや、今日もお疲れさん……と。
あれ、痛いと思えば腕取れてるじゃんか。
……この程度で済んで、良かった。
ああ、今日も生き延びることが出来た。
仮面ライダーになりたかった戦闘員名無し 04/06/04(金)01:33:02 No.114506
「なあ、おい。なんだよ。……おい」
瓦礫の中から、ヘルメットのシリアルを探知して引っ張り出したのは
首だけの同僚だった。
「なんだよ……ライダーになりたいんじゃないのかよ。
なんで……なんで死んでるんだよ!! 何とか言えよお!」
俺が叫んだ瞬間、同僚のヘルメットが起動し、
最後の音声記録を、俺のヘルメットへ転送し始める。
それは、つまり……同僚の断末魔の叫びを。
悲痛で悲惨な最後の声。憧れた存在に殺される男の声。
俺は耳を塞いだ。無意味だ。頭に直接響いているんだから。
「嫌だ、やめろ、やめてくれ!聴きたくない……
こんなのが聴きたいんじゃない、やめろ、やめろお!!」
再生が終わるまで、俺はずっと、同僚の叫びを拒み続けた。
仮面ライダーになりたかった戦闘員名無し 04/06/09(水)00:53:52 No.121889
「あれ、先輩。どうしたんですか?」
「久々にお前をいじめたくなってなぁ」
「うわたた、勘弁してくださいよぉっ」
「実はな、俺今度怪人になることになったんだ。
羨ましいだろ? ……おら、おめでとうくらい言え」
「…おめでとうございます。良いな、どんどん出世してますね」
「……ありがとよ。よし、今日は俺のおごりで一杯やろうぜ」
「はい」
――俺達は知っている。
新たに生まれる怪人は、一週間と持たずライダー達に殺されている事を。
仮面ライダーになりたかった戦闘員 名無し 04/06/12(土)00:35:59 No.125914
「とおッ!」「はぁっ!!」
二人のライダーが、グランドライオンを容赦なく痛めつける。やめろ、やめてくれ。
願い続ける俺の脳裏に、先輩の声が聞こえた。
『……お前のシリアル、これであってたよな?
遺言って奴だ。ええと……そうだな。
とりあえず、こいつらを恨むなよ。こいつらは俺達と違って、
大概の奴らは無理矢理改造されたんだ。それに、お前が挑んだって死ぬだけだ。
……それに、な。こいつらはきっと………
俺達の大切だった奴らを守ってくれる。きっとな」
先輩の体が投げ飛ばされ、星空へ舞いあがる。
「行くぞ!」「おおっ!!」
それを追うライダー達。
『……お前はお前でいろ。
そうだ。俺の名前……言ってなかったな』
「ライダアァーッ!!」「クロス!!」
「キィ――――ック!!」
『ケイ。蛍って書いて、ケイっていうんだ。女みたいだろ。ははh』
大きな爆発が、夜空を照らした――。
バイクの音が走り去る。
……ああ、行ったのか。今日の奴は……どんなんだっけ。
バイクが喋ってた奴か?
ま良いや、今日もお疲れさん……と。
あれ、痛いと思えば腕取れてるじゃんか。
……この程度で済んで、良かった。
ああ、今日も生き延びることが出来た。
仮面ライダーになりたかった戦闘員名無し 04/06/04(金)01:33:02 No.114506
「なあ、おい。なんだよ。……おい」
瓦礫の中から、ヘルメットのシリアルを探知して引っ張り出したのは
首だけの同僚だった。
「なんだよ……ライダーになりたいんじゃないのかよ。
なんで……なんで死んでるんだよ!! 何とか言えよお!」
俺が叫んだ瞬間、同僚のヘルメットが起動し、
最後の音声記録を、俺のヘルメットへ転送し始める。
それは、つまり……同僚の断末魔の叫びを。
悲痛で悲惨な最後の声。憧れた存在に殺される男の声。
俺は耳を塞いだ。無意味だ。頭に直接響いているんだから。
「嫌だ、やめろ、やめてくれ!聴きたくない……
こんなのが聴きたいんじゃない、やめろ、やめろお!!」
再生が終わるまで、俺はずっと、同僚の叫びを拒み続けた。
仮面ライダーになりたかった戦闘員名無し 04/06/09(水)00:53:52 No.121889
「あれ、先輩。どうしたんですか?」
「久々にお前をいじめたくなってなぁ」
「うわたた、勘弁してくださいよぉっ」
「実はな、俺今度怪人になることになったんだ。
羨ましいだろ? ……おら、おめでとうくらい言え」
「…おめでとうございます。良いな、どんどん出世してますね」
「……ありがとよ。よし、今日は俺のおごりで一杯やろうぜ」
「はい」
――俺達は知っている。
新たに生まれる怪人は、一週間と持たずライダー達に殺されている事を。
仮面ライダーになりたかった戦闘員 名無し 04/06/12(土)00:35:59 No.125914
「とおッ!」「はぁっ!!」
二人のライダーが、グランドライオンを容赦なく痛めつける。やめろ、やめてくれ。
願い続ける俺の脳裏に、先輩の声が聞こえた。
『……お前のシリアル、これであってたよな?
遺言って奴だ。ええと……そうだな。
とりあえず、こいつらを恨むなよ。こいつらは俺達と違って、
大概の奴らは無理矢理改造されたんだ。それに、お前が挑んだって死ぬだけだ。
……それに、な。こいつらはきっと………
俺達の大切だった奴らを守ってくれる。きっとな」
先輩の体が投げ飛ばされ、星空へ舞いあがる。
「行くぞ!」「おおっ!!」
それを追うライダー達。
『……お前はお前でいろ。
そうだ。俺の名前……言ってなかったな』
「ライダアァーッ!!」「クロス!!」
「キィ――――ック!!」
『ケイ。蛍って書いて、ケイっていうんだ。女みたいだろ。ははh』
大きな爆発が、夜空を照らした――。
コメント一覧
なかなかいい話だよ。
問答無用で殺してるからな。特にFirstはひどかった。
しかしいい話だな。
みんなどっか歪んでんだ
あぁどっちが本当の正義ってんじゃないんだな
どっちも本当の正義なんだな相容れないんだろうけど
切ないな
転載元が楽天…だと…