「最後の帰省」
海軍少佐 仁科関夫命
回転特別攻撃隊菊水隊
昭和19年11月20日
西カロリン島方面にて戦死
長崎県南佐久郡前山村出身 22歳
キタ━(゚∀゚)━┥東│東│東│ │ │ │発│発│発│中│中│中│北┝┥北┝━(゚∀゚)
あの子はよく祭日に帰って来る。
今日は明治節、なんだか関夫が帰って来るような気がしてならない。
朝から気もそぞろで落つかぬ。お昼になった、あの子の好きなものを作ってもみた。
座敷を整頓したり、寝具を干してみたりして、あてのない人を待っていたが、晩になっても姿をみせぬ・・・。
もうこの世にはいないかも知れぬと考えたり、また正月にでもひょっこり帰ってくるかも知れぬ、と希望をもってみたりしながら、床についたのは十時すぎてからだった。
いつかとろりとしたと思う頃、強くベルが鳴った。
あっ!関夫のならし方だ。はじかれるように飛起きて玄関に出た。
暗い外に立っているわが子を見たとき、無事に生きていてくれたという喜びで胸が一杯になった。
そのころ神風特別攻撃隊のことが新聞やラジオに発表されたばかりだったので、いろいろ話している間に、何気なく、聞いてみた。
「若い人が飛行機で敵艦に体当りして、死んでゆくなんて、本当にもったいないことだね。必死でなくても何とか勝つ方法がありそうなものにね」
関夫は何とも答えなかった。自分が今必死の作戦を前にして、親に最後の別れに来ているなどということは、おくびにも出さなかった。
次の朝、早く起きた関夫は、湯殿に頭から何杯も水をかぶり乍ら、何事かを祈念しているようであった。
ボサボサに伸びた髪が、ことさら気になるのも女親のせいだろうか。
「忙しくて散髪する暇もないの」・・・無言、
「恐ろしい顔になったものね、疲れているの」やはり無言、
ずっと前に帰って来た際、結婚してもよいなどといっていた事を思い出したので、話をしてみたところ、
関夫は何食はぬ顔で「前にいったことは、取り消し、取り消し、みな取り消し、今はとても忙しいので、次に帰って来た時にゆっくり話しましょう」といった。
この日は運悪く父は田舎に行っていてとうとう会えなかった。
最後の食事があまり進まないので「今日はなぜ少ししか食べないの」
「おかずが沢山あるのでね、それにぼくも大分大きくなったんだから、そう何時までも大食いぢゃないんだよ」と笑いながら云った。
しかしお酒はうまそうに飲み「お母さんも」と杯を出し、二人で楽しく汲み交わした。
これが、関夫にとってはせめてもの別れの杯のつもりだったのだろう。
いくら腹が決まっていても、母を目の前にしては、さすがに胸がせまり食事も、ノドを通らなかったのではなかろうか。
私が駅までぜひ送りたいといったが、門前でいいよといい、母がつくった、握飯を風呂敷に包んで、手にぶらさげ、ゆったりした足どりで去って行った。
どこから来て。何処へ行くともいわないで行ってしまった、我が家の桃太郎は待てども待てども鬼ガ島から帰って来ない。
海軍少佐 仁科関夫命
回転特別攻撃隊菊水隊
昭和19年11月20日
西カロリン島方面にて戦死
長崎県南佐久郡前山村出身 22歳
キタ━(゚∀゚)━┥東│東│東│ │ │ │発│発│発│中│中│中│北┝┥北┝━(゚∀゚)
あの子はよく祭日に帰って来る。
今日は明治節、なんだか関夫が帰って来るような気がしてならない。
朝から気もそぞろで落つかぬ。お昼になった、あの子の好きなものを作ってもみた。
座敷を整頓したり、寝具を干してみたりして、あてのない人を待っていたが、晩になっても姿をみせぬ・・・。
もうこの世にはいないかも知れぬと考えたり、また正月にでもひょっこり帰ってくるかも知れぬ、と希望をもってみたりしながら、床についたのは十時すぎてからだった。
いつかとろりとしたと思う頃、強くベルが鳴った。
あっ!関夫のならし方だ。はじかれるように飛起きて玄関に出た。
暗い外に立っているわが子を見たとき、無事に生きていてくれたという喜びで胸が一杯になった。
そのころ神風特別攻撃隊のことが新聞やラジオに発表されたばかりだったので、いろいろ話している間に、何気なく、聞いてみた。
「若い人が飛行機で敵艦に体当りして、死んでゆくなんて、本当にもったいないことだね。必死でなくても何とか勝つ方法がありそうなものにね」
関夫は何とも答えなかった。自分が今必死の作戦を前にして、親に最後の別れに来ているなどということは、おくびにも出さなかった。
次の朝、早く起きた関夫は、湯殿に頭から何杯も水をかぶり乍ら、何事かを祈念しているようであった。
ボサボサに伸びた髪が、ことさら気になるのも女親のせいだろうか。
「忙しくて散髪する暇もないの」・・・無言、
「恐ろしい顔になったものね、疲れているの」やはり無言、
ずっと前に帰って来た際、結婚してもよいなどといっていた事を思い出したので、話をしてみたところ、
関夫は何食はぬ顔で「前にいったことは、取り消し、取り消し、みな取り消し、今はとても忙しいので、次に帰って来た時にゆっくり話しましょう」といった。
この日は運悪く父は田舎に行っていてとうとう会えなかった。
最後の食事があまり進まないので「今日はなぜ少ししか食べないの」
「おかずが沢山あるのでね、それにぼくも大分大きくなったんだから、そう何時までも大食いぢゃないんだよ」と笑いながら云った。
しかしお酒はうまそうに飲み「お母さんも」と杯を出し、二人で楽しく汲み交わした。
これが、関夫にとってはせめてもの別れの杯のつもりだったのだろう。
いくら腹が決まっていても、母を目の前にしては、さすがに胸がせまり食事も、ノドを通らなかったのではなかろうか。
私が駅までぜひ送りたいといったが、門前でいいよといい、母がつくった、握飯を風呂敷に包んで、手にぶらさげ、ゆったりした足どりで去って行った。
どこから来て。何処へ行くともいわないで行ってしまった、我が家の桃太郎は待てども待てども鬼ガ島から帰って来ない。
コメント一覧
台無しだ…。
…あ、これは桃太郎じゃなくて影丸か。
落ち着いて推敲しながらやれよ
しかもバグったって何?
「何故か違うものを貼りつけてしまった」これならまだわかるが
「バグった」って何よ?結局原因ハッキリしてないけどクリップボードのせいにしておけばそれで済むと思っているだけじゃないか。
しかも謝罪の言葉も無いしさ。クリップボードのせいなんで自分悪くありません?ふざけんなよ
最後に見直すことすらしないやつは爆ぜろ。しかもまた、ってことは前にやってんじゃねえか。もう書くのやめたら?
何がだよ