1999年11月22日午後、航空自衛隊入間基地所属のT33型ジェット練習機が入間川河川敷に墜落しました。その際、東京電力の高圧送電線を切断し、東京・埼玉の約80万世帯で停電となりました。電線切断による停電は都市のもろさの再認識となり、マスコミの論調は私の知る限り「税金の無駄使い」的な、冷淡なものであったと思います。
ところが私の属する「フォーラム」で別な観点の紹介がありました。
当日のニュースステーションで(私は普段テレビをほとんど見ず、この番組も見ていませんが)国際コンサルタントの岡本さんという人が出演しており事故のお詫びをする防衛庁長官の画像についてコメントを求められ、
「私の事務所でも停電のためにコンピュータが止まり、大いに迷惑はしているが、今の報道を見ると、脱出用パラシュートも開かぬままとなっており、脱出のチャンスを失ってまで、住宅地への墜落を回避した可能性が高い。であれば、パイロットの行為は人間の尊厳に満ちたものであり、にも関わらず、まず、この行為に対して、長官が哀悼の意を表しなかったとすれば、ご遺族の方々は、何と思うだろうか、誠に遺憾である」
と語ったそうです。(実際には防衛庁長官は会見で、亡くなったパイロットへの、哀悼の意を表したそうです。報道の編集作業の恐さですね。報道には必ず「誤報」があります。意図したもの、せぬものがあるでしょう。しかしそれ以上に恐ろしいのは「編集」です。簡単には「強調」と「省略」です。)
又、別なフォーラムでこのような会話がありました。
「ベテランのお二人は、最低安全高度については熟知されていた筈ですから、二人とも『自分が助かるため』に脱出装置を使われたとは思えないのですが」
「自衛隊パイロットへのインタビュー記事でしたか、こんな記述を読んだことがあります。もし住宅密集地の上空でエマージェンシーに遭遇したら、どうするのかとの質問に対するパイロット氏の答え、
『被害を最小限にとどめるため、最後まで操縦を続ける覚悟はあります』
と言い切った上で、
『ただ、最後の瞬間に、わずかでも時間があれば、脱出装置は作動させます。そうしないと、脱出装置を整備した整備員に、要らぬ心配をかけますから』
とのことでした。」
産経新聞2000.8.3朝刊から「自衛隊半世紀」と題する特集記事が始まっており、プロローグとしてこの事故が取り上げられています。その冒頭で、
なぜ、航空自衛隊のパイロットは「ベイル・アウト(緊急脱出)」を二回叫んだのだろうか。
と、記しています。「パイロットはベイル・アウトを通報した後、十三秒後にもう一回、同じ言葉を叫んでいた。」
この十三秒は、正に上記の
『被害を最小限にとどめるため、最後まで操縦を続ける覚悟はあります』
に合致します。そして、
『ただ、最後の瞬間に、わずかでも時間があれば、脱出装置は作動させます。そうしないと、脱出装置を整備した整備員に、要らぬ心配をかけますから』を、完璧に実現しています。
ところが私の属する「フォーラム」で別な観点の紹介がありました。
当日のニュースステーションで(私は普段テレビをほとんど見ず、この番組も見ていませんが)国際コンサルタントの岡本さんという人が出演しており事故のお詫びをする防衛庁長官の画像についてコメントを求められ、
「私の事務所でも停電のためにコンピュータが止まり、大いに迷惑はしているが、今の報道を見ると、脱出用パラシュートも開かぬままとなっており、脱出のチャンスを失ってまで、住宅地への墜落を回避した可能性が高い。であれば、パイロットの行為は人間の尊厳に満ちたものであり、にも関わらず、まず、この行為に対して、長官が哀悼の意を表しなかったとすれば、ご遺族の方々は、何と思うだろうか、誠に遺憾である」
と語ったそうです。(実際には防衛庁長官は会見で、亡くなったパイロットへの、哀悼の意を表したそうです。報道の編集作業の恐さですね。報道には必ず「誤報」があります。意図したもの、せぬものがあるでしょう。しかしそれ以上に恐ろしいのは「編集」です。簡単には「強調」と「省略」です。)
又、別なフォーラムでこのような会話がありました。
「ベテランのお二人は、最低安全高度については熟知されていた筈ですから、二人とも『自分が助かるため』に脱出装置を使われたとは思えないのですが」
「自衛隊パイロットへのインタビュー記事でしたか、こんな記述を読んだことがあります。もし住宅密集地の上空でエマージェンシーに遭遇したら、どうするのかとの質問に対するパイロット氏の答え、
『被害を最小限にとどめるため、最後まで操縦を続ける覚悟はあります』
と言い切った上で、
『ただ、最後の瞬間に、わずかでも時間があれば、脱出装置は作動させます。そうしないと、脱出装置を整備した整備員に、要らぬ心配をかけますから』
とのことでした。」
産経新聞2000.8.3朝刊から「自衛隊半世紀」と題する特集記事が始まっており、プロローグとしてこの事故が取り上げられています。その冒頭で、
なぜ、航空自衛隊のパイロットは「ベイル・アウト(緊急脱出)」を二回叫んだのだろうか。
と、記しています。「パイロットはベイル・アウトを通報した後、十三秒後にもう一回、同じ言葉を叫んでいた。」
この十三秒は、正に上記の
『被害を最小限にとどめるため、最後まで操縦を続ける覚悟はあります』
に合致します。そして、
『ただ、最後の瞬間に、わずかでも時間があれば、脱出装置は作動させます。そうしないと、脱出装置を整備した整備員に、要らぬ心配をかけますから』を、完璧に実現しています。
コメント一覧
氏ね
大手紙を大きい手紙と誤解して、テニスコートぐらいの手紙を想像した
おはよう
「あいつならきっとそうする」みたいな事を言ってた。
これだけの覚悟でもって自衛官やってるんだな、と感じたもんだ。
でもご家族の事考えると、本当にやりきれなかったなあ。
ドラマの影響かな?
キムタクあたりがチャラいパイロットを演じそう。
復旧費用の寄付でもしたらいいのに
狭山ニュータウンの住宅街が広がっていたのです。
彼らは危険を承知しながらも、地域住民に被害が及ばぬよう、
何とか機体をコントロールして、人のいない入間川の河川敷まで機体を運び、
そこで墜落したということなのです。
http://www.jiyuushikan.org/jugyo/jugyo71.html
これ今思い出しても泣ける。
一部の報道機関では
「こんな風にいつ落ちてもおかしくない危険な自衛隊機が
一般市民の頭上を毎日飛んでいる! 自衛隊廃止!」
みたいな報道をしてたよ。
自衛隊に感謝こそすれ廃止なんぞ口が腐っても言えなくなる
今時そんなヤツはよほど頭が悪いか
よほど腹黒いサヨクかぶれだな。
この事故の起きる4年前に入隊し整備の教育を受けて部隊
配属され毎日、整備をしていた私はあることに疑問を持ち
先輩に聞いてみました。
それは戦闘機には脱出装置が付いているのにトラブルで
墜落したパイロットで助かる確率が低いことでした。
その疑問に先輩は「パイロットは助かろうと思えば助かること
が出来るがパイロットが飛行機を捨てて脱出したらどうなると
思う?他の人を犠牲にするかも知れないだろ。
だから最後まで操縦桿を放さないんだ。俺達も安全に
飛ばせるためしっかりと整備しなければならないんだ。」と
言われました。
事故はその後に起きマスコミからも自衛隊バッシングを受け
非常に心が痛かったのを覚えています。