645 名前:名無しのオプ[sage] 投稿日:2010/11/14(日) 19:24:29 ID:INNFM5Ln
エレベーターが止まった。それだけ言うといたって普通の事だが、異常な点は6階と5階の間で止まってしまったということだ。
堅く閉ざされた扉の上部にある階数表示のパネルも、6階を示したところまでは覚えているが、今はイカれてしまったのか点灯をやめている。
つい寸前までは何事もなく下降していたのに、急にものすごい音がするもんだから心臓が止まるかと思った。
結果として心臓は止まらなかったが、代わりにエレベーターが止まってしまったというわけだ。
まあしかし下まで落っこちていったという感じはしなかった。そこは不幸中の幸いと言ったところか。
いやそれにしてもなんてことだろう。
うちの会社も定期的に点検だのメンテナンスだのやっていたと思ったが。
もしかしたら業者の作業の方が杜撰だったのだろうか。
「ど……どうしましょう……?」
その声で現場の状況に意識を戻すと、同じ課の女性社員が不安そうな目をこちらに向けている。
今さら気づいたがその場にいるのは僕とその彼女の二人だけだったのだ。
ここで僕が慌てたり取り乱したりするのはマズイ。彼女をいたずらに不安がらせる事は避けなければ。
僕は努めて明るい声で言った。
「大丈夫。エレベーターの中には緊急事態に管理会社と通信するためのボタンがあるんだから。
僕らはこうしていても仕方ないから、中の人の無事を祈りつつ、近くにいる係の人に連絡に行こう」
コメント一覧
この部分の違和感が全体を把握したら解消した
アッサリしてていい叙述トリックだと思います
糞シンドラーども
すべてのものには中の人がいる。
もちろんミッキ
中の人=エレベーターの中の人
つまりこいつらはエレベーターには入っていない