636 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2011/06/29(水) 20:07:05.76 ID:gPCyco3a0
友人の話。山奥の温泉旅館に泊まった時のことだ。
真夜中、尿意で目が覚めたのでトイレに行くことにした。
用を済ませて廊下を歩いていると、『関係者以外立ち入らないで下さい』と書かれた札のある一角を通り過ぎた。
奥の方で明かりが灯っており、そちらから食欲をそそる良い匂いが漂ってくる。
「厨房かな?」
半分寝惚けた頭をその通路に突っ込んでいると、後から肩を叩かれた。
「駄目ですよ、そちらは従業員専用です」
柔らかい声でそう注意される。
「あ、こりゃどうもすいません!」と慌てて振り向くと、女性が一人立っていた。
服装は間違いなくその旅館の仲居さんのものだったが、その首から上、こちらを見つめるその顔だけが、狐だった。
唖然としている彼の前で仲居さんは頭を下げた。
金色の毛皮の後頭部が見えた。
そしてパッと掻き消すように消えてしまったという。
翌朝、部屋を訪れた女将にこの話をしてみた。
笑われるかと思ったが、まだ若い女将さんはニッコリと笑って「レアですよ、運が良かったですね」とだけ答えてくれたそうだ。
コメント一覧
もちろん、従業員にも。
運が良かったですね(^^)
感謝感謝です(*^o^*)
いねーよ
妖→人に近い形態、または触れられないもの
物の怪→動植物に近い形態、または人工物が変化したもの
今まで本で読んだ限りではこんなイメージだがこれでよろしいか
アク禁怖いからって取り乱しすぎだろ