605 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 17:06:16 ID:SRUnw7M3
ある晩、仕事で遅くなり仲間内では「通ってはいけない」峠を通ることにした。 呪われた峠と言われるそこは、幾人もの地元の走り屋が命を落としている。
事故を起こした連中には変なものを見たという者まで・・・。
丁度峠も中腹に差し掛かった頃。
俺はバックミラーに白い人影を認めた。老婆である。
白い装束を着た老婆が、髪を振り乱して猛スピードで追いついてくる。
こんな馬鹿な!?80kmは出ているんだぞ!
老婆は悠々と俺の愛車を追い抜いた。峠はもうすぐ終わる。
俺はアクセルを踏み込む。老婆がぐんぐんと近づいてくる。
振り向いて少し驚いたようだったが、老婆もスピードを上げる。
くっ、なんて馬力だ。
俺も全身のアドレナリンを集めて、更にアクセルを踏み込む。時空を越えそうだ。
老婆に並んだ。
ババァが俺に勝てると思ったのか。そんな殺気が俺に悪魔的な発想をさせた。幅寄せである。
迫り来る老婆の表情は恐怖に歪んでいた。
すると老婆はなんと、俺の車のフロントに飛び乗った。
それまで出ていた120km/hが相対速度で240km/h。
老婆はカタパルトに弾かれた戦闘機のように跳んだ。
なんて奴だ。この俺の完敗だ。
しかしこの先は・・・!
606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/09/09(日) 17:07:21 ID:SRUnw7M3
この先こそ、走り屋の志を砕いてきた魔のカーブである。 既に戦意を喪失していた俺は急ブレーキをかける。
老婆も慌てて止まろうとしたらしく、踵からは火柱と煙が上がり、体は大きく傾いた。
しかし老婆についていた加速度を制御することは最早出来なかった。
その先のガードレールを突き破り、老婆は跳んだ―。
しかしその姿は美しかった。オリンピック選手が見せるどんな跳躍よりも高く華麗に。
跳躍は落ちることなく、夜の星空を背景に、どんどんと舞い上がりそして―
スローモーションのように崖下の闇に飲み込まれていた。
後日俺は花束を持ってそのカーブを訪れた。
宵闇に散った、一人の戦友の勇気を称えに。
コメント一覧
違うな。
120万パワーに120万パワーが合わさって
240万パワーになったってことだろ。
120km/h出してた車の上で120km/h出したから
240km/hになったんだろ?
問題はこれが「相対速度」に対する釈明になってない事だけど
そう考えたら一騎討ちみたいに見えてきたww
相対速度云々は置いておいて
慣性の法則って中学で習うよね?
俺は見ているよ!
>こんな馬鹿な
馬鹿は書いたお前だ('A`)