コピペ運動会

元々自分の家族と仲が悪かった俺は、嫁との結婚を期に嫁実家に婿入りした
実家は茨城で農家を営んでいたが、俺は別に仕事をしていて
それに関しては嫁家族は全員了承してくれていたので新婚から順風満帆といった感じだった
そして、今年に入って嫁から妊娠したと聞き、俺も義両親も義弟もみんな号泣して喜んだんだ

嫁からの妊娠報告が３月９日
その２日後から俺にとっての地獄が始まる訳だが

３月11日の地震で家は半壊、畑は全滅した
当然、住む所なんてすぐに見つかる訳がなく安全な市の小学校に避難した
俺の会社も被害はそんなに大きくはなかったが上層部から混乱していた為に仕事にならず
もっとも、仕事があった所で精神的にダメージが大きかったから仕事になんか行けなかった
だが、義父は全てを失ったダメージが大きいだろうに家族を支えるのに凛としていた
号泣する義母や混乱する義弟を優しく抱きしめながら「大丈夫だ、俺がいる」と何度も口にしていた
そんな義父の姿を見て、俺も少なくとも嫁とお腹の子供だけは守ろうと心に決めた

しばらくして、義父は農協の役員と話し合いを始めたり役所に色々と掛け合ったりと
以前と何の代わりもない気丈な義父に戻っていった
義母も家族の面倒を見つつ避難所の手伝いやらボランティアやらをし
義弟は義母を手伝いながら暇を見つけては連絡のつかない彼女を探す旅に出ていた
で、俺は嫁にお腹の負担にならない程度に義母の手伝いをする様に言いつつ
会社に長期休暇の申請を出し住む所を探す方に力を入れる事にした

だが、住居の確保は困難を極めた
会社には寮があったが家族５人が住める訳もなく、震災で家を失った独身組で埋まっていたからアウト
義母方の親戚に打診するも家庭の事情を持ち出されてなかなか５人全員では無理だった
中には放射能汚染を怖がってつまはじきにされた所もある
どうしようかかなり迷ったが、もう背に腹はかえられないと思い俺の実家に電話した
実母「もしもし」
俺「あ…俺だけど」
実母「…アンタか。それで？何の用なの？」
俺「いや、もう知ってると思うけど地震の─」
実母「帰ってくるつもり？勘弁して」
ガチャ切りされた

当然の結果だと思ったから別段ショックも怒りもなかった
ただ、この事は絶対義家族には黙っておこうとは思った
これが後に火種になってしまうのだが
しかし、捨てる神あれば拾う神ありとはよく言ったもので
実家と電話した３日後に、以前散々世話になった先輩と連絡がついた
先輩の声が聞けて嬉くて思わず彼に泣きついてしまった
先輩「お前馬鹿だろ！何で家失った時点で俺に電話よこさねー！」
先輩も俺の無事を確認できたからか電話の向こうで号泣しながら
早急に住む場所探すから、もう少しだけ耐えろと言ってくれた
それからわずか１週間というスピードで５人が何とか暮らしていけるアパートを用意してくれた
何でも、先輩の奥さんが経営するスナックの常連さんにアパートの大家さんがいて
今迄の事を話したら浪花節状態で部屋を貸してくれる事になったらしい
余りにも早すぎる展開に「釣り乙」と思ってしまったのは先輩には絶対に言えないが

４月に入って先輩夫婦が避難所に迎えにきてくれた
そして、そのまま用意してくれたアパートに移動
会社からの見舞金と先輩夫婦及び常連さん有志一同からの見舞金で
暫くは生活していける目処が立った。これに関しては今でも皆さんに感謝の気持で一杯になる
お陰で義父は自宅周辺の調査と各機関とのやり取りがスムーズに行なえそうだったし
俺も安心して会社に行く事が出来ると思っていた
だが、vipperのみんなならご存知の通り農水畜産のダメージと東北・北関東の企業麻痺っぷりは凄まじく
更には風評被害の影響で企業のあちこちに亀裂が生じていた
会社の方が俺の状況を理解してアパート近くの支店に移動させてくれたのだが
そこでまず「放射能汚染の人間が入ってきやがった」という洗礼を受けてしまった

そして、驚いた事にこれはマスコミ報道されていないので余り大きな声では言えないが
産婦人科の病院も場所によっては避難民の受診を拒否する所が少なくなかった
嫁もその例にならってしまい、なかなか検診がうけられず一度切迫流産になりかけた事件があった
他にも、避難民だという事実が広まった事から食材を買いに出た義母が陰口を叩かれたり
バイトをしようとした義弟が面接で嫌味を言われた上にその場で落とされたりと散々な目にあった
この頃から、家族の間でぎくしゃくした空気が流れ始めた様な気がする

ある日、義弟に「２人で話がしたい」と言われたので近くのファミレスに入った
俺以外の家族に聞かれたくない話だから、てっきり彼女と連絡がついて一緒に暮らしたい
とか何とか言ってくるかと思ったのだが、俺の実弟から連絡がきたという斜め上の話だった
バイトの面接がことごとく駄目ですこし凹んでいた時に弟から電話があり
「俺等親戚なんだから、いつだって甘えてこいよ。今、何処に住んでるんだ？」
という言葉が救いの手に思えてついアパートの住所を言ってしまったとの事
正直、これは俺にしてみれば非常にまずい事になる
そもそも、俺が嫁の家に婿入りした理由の１つとして実弟の不貞さが義家族の逆鱗に触れた
という事実があるせいで、俺実家と義実家はかかわりを持つ事をよしとされていない
しかも、以前義実家に内緒で俺実家に非難手助けの電話をした事も伝えていない
これで万が一俺実家が何かをしてきたらと思ったら胃が痛くなってきた

案の定、報告すると岐阜に殴られた
「お前は何の為にうちに入った？何の為に向こうを捨てた？新たな人生を切り開きたかったからだろ？」
その場では許してもらえたが、心の中ではこの頃から義父に信用を失っていたのだろう
外での陰口が大かったのが堪えたのか義母はこの頃から精神不安定状態になり
義父は少し怒りっぽくなっていた
嫁は俺が取る行動を全面的に応援するからと笑ってはくれていたが
ちょっと前迄何の問題もなく仲睦まじくやっていた家族がボロボロになる事は辛かっただろうか
つわりがひどく、１日中台所で吐き続ける日もあった

いきなり話は飛ぶが、６月に入って胃の痛みが酷くなってきたので病院に行ってみると
十二指腸潰瘍という診断結果で薬を出された
嫁は相変わらずつわりが酷かったので心配をかけたくなくて薬の事は黙っていた
義母は精神科に通院する様になり、義父は畑を立て直すのに一日中飛び回り帰らない日もあった
唯一、義弟だけが先輩夫婦のスナックで皿洗いのバイトをさせてもらえる嬉しい誤算があった

そして、忘れもしない６月19日
奴等は家族全員で雁首揃えてやってきた
しかも、持ってきたのは生活必需品でも何でもなく

3,000円の入った香典袋

実父「いや、息子に兄貴んトコの誰かが死んだって聞かされたんだけどなｗｗｗ」
この一言で義父がきれ、大乱闘の末近所から通報される顛末になった
これが引き金となって義母は完全に精神を病み入院、嫁も流産の危険性があったので短期入院した

俺の実父は義父と兄弟（義父が兄、実父が弟）で昔から兄である義父にコンプレックスがあったらしく
今回の一件を期に、ことごとく兄夫婦を貶めようとしていた様に見えた
更に、実弟は嫁の入院先に単身で乗り込み
「あんなボロアパートにいないでこっちにくれば？まあ、俺の嫁になるって条件だけどｗｗｗ」
とぬかして嫁を先進的に追い込み看護士から追い出されたらしい
実母は実母で「義姉さんが不在なんだから火事手伝いくらいはするわよ」と上がり込む様になり
大した手伝いもしない癖に俺等家族の悪口を言い続けたりアパートの古さに文句を言ったりと
完全に家族崩壊を狙っていた
最初は義父と俺とで追い返していたのだが、厚顔無恥という言葉通りしらーっとした顔でやってくるので
その内、義父は諦めてしまったのか部屋に帰ってこない日の方が多くなってしまった

先輩に事情を話し義弟の事はスナックに寝泊りさせてもらう事にした
結果、嫁が帰宅してからは俺等２人だけの生活となったのだが、これが更に実母にスイッチを入れた
俺が仕事で不在中に、事あるごとに押しかけてきては嫁に家事をさせていたらしい
「昔の人は臨月迄家の事は全部一人でしたものよ！」
とか何とかほざいては、嫁がつわりに耐えながら一生懸命家事をしていたのを監視していたそうだ
これは、つい昨日嫁から教えてもらって初めて知った事なのだが
何故もっと早くに気付いてやれなかったのか、今でも自分の首をしめたくなる

今月に入って、義父から「しばらく帰らないからな」と電話があった
まあ、数日帰ってこないのにも慣れていたから気にしていなかったが
ある日、仕事中に何となく嫌な予感がしたので休憩中義父に電話をかけてみた
普段ならすぐに電話に出るはずの義父が出ないので不安がますます大きくなり
思い切って近所の方に電話をかけてみた
その方はすぐに出たが、義父の話を切り出すと途端に歯切れが悪くなった
胃の痛みが酷くなっていくのが判ったので、なかば怒鳴る様に義父の居場所を聞き出すと
「（義父）ちゃんには黙ってろ言われていたんだけど…」
と、義父が入院している病院を教えてくれた
畑は使い物にならず、風評被害に合い、国からの補助もあてにならず、妻は精神病棟に入り、弟夫婦が…
完全にやられた義父は自宅の今で首を吊った
運良く近所の方が見つけてくれたのが早かったお陰で命に別状はなかったものの
これ以上惨めな姿を見せたくない、娘に知られてお腹の子に何かあったら死んでも死に切れないからと
家族に連絡するのを拒み続けていたらしく、俺等に言うに言えなかったそうだ

そして昨日
子供が天に召されてしまった
原因は実母のいびりと家族崩壊危機への不安
実弟の暴行
精神的にまいっていた時に実弟がやってきて
「妊婦なんだから、別に中田氏しても問題ないんだろ？」
と嫁に襲い掛かり、何とか逃げて先輩の店にでも行こうと暴れた際に
玄関のノブにお腹を思い切り叩きつけてしまった
その後、苦しみながらも救急車を呼び病院に
医者から電話をもらった俺は会社を飛び出し病院に行き
実母のやらかした事を聞かされた
その頃、実弟は逃走したまま病院にくることもなかった

で、ついさっきなんだが
実家家族を全員病院送りにしてきた所だったんだ
今はアパートに戻ってきてるけど、多分近所からの通報もあっただろうし
何よりあの腐れ外道共の事だから自ら通報するだろうし
それで、書き溜めている最中にご厄介になるくらいなら…と書き始めてしまった
正直、自分でも何を書いているか判らなくなってしまった部分はある
後、本当はみんなにお願いしたい事もあったので書き始めたんだが
自分の事ばかり書いてしまって少々言い辛くなってしまっているのもある

多分、もう書き込めないだろうからみんなにお願いしたい
今回の震災で確かに原発問題の影響は大きい
健全なみんなは自ら情報を集め厳しい目で物事を判断しているとは思う
ただ、やっぱり風評被害の問題も決して小さくはないんだ
今回、義父は未遂で済んだが実際に知ってる方で亡くなった方もいる
もちろん、それは個人の心の弱さだとは判っている
でも、お願いだからもう少しだけでいい
心の片隅に温情の心だけは持ってくれると嬉しい
そうすれば、俺等みたいに家庭崩壊する家族がもしかしたら減るかもしれない
まあ、今回は「震災と直接関係ねーだろ」と言われてもしかたない特殊ケースだけど
さっきも書いた様に被災者・避難民だからって受け入れてもらえない事も少なくない
だから、みんなにはいつものノリで
「うはｗｗｗバロスｗｗｗｗｗ」とか言いながら手を差し出してもらいたい

最後に
何でこんな下らないチラ裏を書いたかだけ理由を書かせてほしい

指摘があった通り俺はいとこと結婚した
もしかしたら、気付いた人もいるんじゃないかな
コテを付けたらまた叩かれるからつけないけど
みんなのお陰で嫁と結婚できたとあるvipperだって事を報告しておく

こんな結末で申し訳ない
そして、最後まで読んでくれた人は有難う
それでは

住処探してやるから愛知来いよ
何だよこの結末…

釣りって言えよ…言ってください