コピペ運動会

正月早々暗い話を書こうと思う。

自白…というよりも、懺悔に近い。
話すことで俺が楽になりたい。

もし良かったら聞いてくれ。
パンツは呪われた装備扱いにしといてくれ。


俺は片田舎で高校教員をやっている。
田舎の高校は、みんな純朴か、荒れている生徒の方が多いかどちらかである。

俺のいる高校は後者だ。


荒れているといっても今は、対教師や対物暴力みたいなのは実はあまりない。
引きこもり、不登校、自傷など、内面に矛先が向く荒れ方が多い。

そして片親とか親なしで、荒んだ家庭がものすごく多い。
二親にしっかり愛されて育っている、いわゆる「一般的な」家庭は、体感的にはクラスの半分もいない。


そんなだから、その子のことも（悲しいけど）よくあるケースの一つにしか思っていなかった。
仮にその子の名を「サキ」としよう。

サキは当時高1、小柄で可愛い顔立ちの子だった。明るいよく笑う子だった。


サキは施設の子だった。

実はこの少子化の時代にも施設というのは満員で空き待ちで、例えば「お金がなくてどうしても育てられないから施設に…」みたいのは入れない。
優先順位が高いのは、なんらかの事件（主に虐待）で児相に保護されて、施設に回される子だ。
つまり施設の子というのはほとんどが児相がらみであり、最悪レベルに家庭が荒れているケースである。


結論から言うとその子は学校をやめた。消息はわからない。

施設の話などは学校の中にいて知れる範囲の情報。他の地域や都道府県の事情は違うのかもしれないが、どこもそんな感じだと施設の職員に聞かされたことがある。


サキは前述のように、女の子としてすごく可愛い顔立ちなんだが、不思議なくせ？特徴？があった。
とにかく自分を「汚く」するのだ。そしてそれを周りにアピールするのである。

例えばシャワーや風呂に入らない、制服のブラウスやソックスを洗濯しない。指定ジャージも常に汚く、汗臭かった。
トイレに行っても手を洗わない…どころか、信じられないかもしれないが、オシッコを手につけて、他人の目の前に出して、「ついちゃった！」とかいうのである。
手洗っといで、と言っても「良いの～」と言ってフラフラ行ってしまう。


俺はサキのクラス担任とかではなかったんだが、俺の授業を気に入ってくれていて、結構俺になついていた。
担任も「サキのことは>>1先生にお任せしますね～」という感じだった。

何せそんな子が何人もクラスにいるのだ、良く言えば教員全員で協力分担して対応しなくてはならない。
悪意のある言い方をすれば、俺に押し付けたということだ。


ある日の放課後、俺はサキと生い立ちや家庭の話をしていた。
余談だが、そういう聞きにくい話ほど、さらっと聞いた方が良いのだ。俺みたいな恵まれてる人間に憐れまれることが、返って子供たちのプライドを傷つける。
だから、虐待とか、捨てられたとか、そういう話を「さも当たり前のことのように」聞いてあげる方が、うまくいく。

サキが施設に入った理由を話してくれた。


サキが児相に保護された理由は、実の親からの性的虐待だった。ストレートにいえば、父親に犯されていた。
中学に上がる頃から始まったらしい。避妊はしてもらえず、全て中出しだったが、妊娠したことはないという。
サキが児相に連絡し、親から離され、施設に入れられたというわけだ。

こやって文字にしてしまうとインパクトに欠ける。でも想像してほしい。これを15才の女の子が、目の前で話すんだ。
俺は当たり前のことのように聞くなんてもちろんできなかった。何も言えなかった。こんな話が本当にあるなんて。


「だから自分は汚れているんだ」とサキは言った。加えて、身なりを綺麗にすることで、女として見られることが怖いと。性的な目でみられることがトラウマだと。
それで身なりを汚くしていると安心するのだと言う。


でも今はもう保護されたんだから、もう新しい人生を、とか、そんな普通なことを俺は言ったと思う。
そこでサキは、当たり前のことのように言った。
「いまも変わってないよ。」

俺は意味がわからなかった。まだ父親から？と思いそう口にしたが、違った。

「Ｙさん。いまはＹさんにされてる。」

…Ｙさんは、サキの担当の、児相の職員だった。


俺はパニックになった。その後も淡々と話すサキの言葉はほとんど耳に入らなかった。
つまりはＹに身体の関係を強要されていて、断われないということだった。

俺はサキの担任の先生に相談した。しかし担任の反応も予想の斜め上だった。
「あぁ田舎ではよくあることですよ。でも施設以外に生きていく道ないからね。」


(´･ω･｀)


つまりまとめると、父に性的虐待を受けていたサキは、保護された施設の職員にも性的虐待を受けていた。
しかしそれは田舎では「よくあること」で、仕方ないことで、暗黙の了解なのだ。

狂っている、と俺は思った。俺が都会育ちだからとかそういう問題じゃないと思った。


俺は警察に話すことをサキにすすめてみたが、サキは嫌がった。
自分が我慢すれば済むことだし、大ごとになったり、いろいろ聞かれたりいろんな人に知られたりする方が嫌だ、と。

俺は必死に説明した。説得した。こんなのおかしいと。普通じゃない。普通に生きる権利がサキにもあるのに。
でもサキは「先生は何もわかってない」と言った。
良いんだ。サキの人生はもう終わってるから。先生心配してくれて嬉しかった。でももう良いよ。ありがと。


結局俺はどうしていいかわからなかったから、できるだけそのことを思い出さないように、忘れるようにしようとした。

その後少しして、サキは学校をやめた。
それ以来、消息はつかめない。どうなったのかもわからない。


は？


教員の世界というのは、本当におかしい世界だ。閉鎖的で、一般社会ではありえないことが普通にまかり通っていたりする。
こういう事件は「よくあること」で、いちいち傷心していたら仕事にならないと。確かに生徒を気にかけ、生徒を愛することは大切だけど、どうしようもできないこともある。そういうことにいちいち心を割くな。
先輩にはそうアドバイスされた。今回みたいなことは、よくあることなんだと。

納得できなくて、スレたててしまったけど、オチも何もなくてごめんなさい。
本当に以上です。ないと思うけど質問とかあったらこたえます。


後味悪いな～
教師だったら権限生かして追跡調査しろよ。施設凸しろよ


>>145
淡々と書いたけど、先輩教員にも俺自身が泣きわめきながらいろいろ相談したよ。
施設側も証拠とかは残していないだろうし、本人が証言？する気にならなければどうしようもないと…その辺うまくやってるんだよ施設も…みたいなことを言われた。


サキは父親以外に家族はいないの？


>>155
母親は典型的なネグレクトだったと担任は言っていた。おそらく中学からの情報じゃないかな。
本物のネグレクトてすごいんだぜ。同じ家の中でも、本当に誰もいないかのように振舞われたりするんだよ…


で、今回の件から何か学んだ？
もし、また彼女みたいな子が現れたら、>>1どうするの？


>>157
気にしちゃいけないんだよ、教員は学校教育の中で最大限の努力をして生徒を導くことが職務だから、たとえば卒業後とか家庭とか、そういうことまで頑張ろうとするのは、ただのおごりだって。
教員てのはそんなすごい職業じゃないって。
そう言われて納得した部分と、腑に落ちない部分がある…