83 :名無しさん@13周年:2012/06/09(土) 12:14:10.99 ID:3GeK3MHii
ところで、携帯小説書いてみたから読んでくれ ハマのサテンでナオンと待ち合わせたオイラは、10分程遅れて到着した。
窓ガラスから店の中を覗くと、ナオンは既に椅子に坐って待っていた。
「ヒュー」
思わず口笛を吹いた。相変わらずマブイ。
カランコロンカラン、コロンカランコロン。
「レスカ、ガム抜きでな」
マスターにそう声を掛けて、オイラは席についた。
「オマエ、何頼んだの?」
「レイコー」
ぶっきらぼうに答える。
「アイスコーヒーとガムシロ抜きのレモンスカッシュです」
ウェイトレスが苦い空気に割って入った。
「ほら、生きてるぜ」
クシャクシャになったストローの袋に水を掛けながら言った。巷で流行ってる遊びだ。
「タカシが死んだよ」
ヨーコが言った。
「峠で事故ってさ、即死だって」
「・・・」
「アイツの走りって、まるで死に急ぐような
命を削ってる走りだった。だからアタシは
ずっと止めさせようと思ってたのに、
そうする前にいってしまった」
ヨーコがタバコに火をつけた。
ホープ。ナオンの癖にキツイタバコだ。
ホープ。希望。嫌な言葉だ。希望なんてのはどん底の奴が持つものだ。
希望の無い奴だけが希望を持てる。ヨーコの吐き出す紫煙を吸って、オイラも
タバコに火をつけた。
わかば。安くて旨いタバコだ。俺達はまだ若い。それは希望なのか?オイラにはわからない。
コメント一覧
固定電話があった時代
その時代ならホープとは言わず、
ショートホープをショッポと呼んだ。
ガチャ
「わりいわりい。遅れちまって」
「俺、レモンスカッシュねマスター」
レイコ「タカシが死んだよ」
(以下略)
これぐらいだろ
光が射してない場所だからこそ一条の光明が見えるってやつだな
1970年代風の携帯小説というアイディアだけで
引きこまれてしまった。
あの時代の閉塞感みたいなものがうまく出てる。
お、おう…
おもしろいもの書こうと思ったら書ける人なのかも。
下駄はいてんのかと思って読んでた、かまやつひろしみたいに。
ちょっと集めたくなる
1年前だとちとわからねえなあ
ここにゃあ沢山いるからにゃあ
この事で人格が立ち上がってくる効果を出してる
アイスコーヒーとガムシロ抜きのレスカは苦い空気と合わせてる
ほら生きてるぜと死んだよで対比の効果
女は肩パッド入の原色スーツで妄想
港のヨーコ横浜横須賀からかねw
技巧的な部分よりも、行間が豊かだって事が重要なんだろう
特に説明的な文章も無いのに行間から時代背景や人物像、
そして登場人物の心の動きが自然と感じ取れる
だからどんどん読み進められるし、読者を引き込むんだろう
それWAONです